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プロダクトマネジメントや日々の徒然について

オウンドメディアに何を書くべきか

自社運営のWebメディアを持つことについて、技術面・システムコスト面でのハードルは近年とても低くなっている。問題となるのは、自社メディアにどのようなコンテンツを掲載するか、という点ではないだろうか。

ニーズが顕在化している自社のターゲット(製品・サービスの導入担当者)を直接的に集客するなら、自社の事業領域における検索のビッグワードをテーマにした記事を書くのが自然だろう。もちろんビッグワードは熾烈なSEO競争が行われているわけだから、単にキーワードをちりばめただけの記事では検索流入は増えない。読者にとって読む価値のある良質な記事を地道に提供し続ける必要がある。
インバウンド・マーケティングの分野で推奨されているのはこのタイプのオウンドメディアのようだ。 

ではニーズが顕在化していない層にリーチしたい場合や、初期市場においてそもそも啓蒙やニーズの喚起が必要な場合はどうするべきか。潜在的なニーズはあるもののソリューションを積極的に探していない人達に自社のサービスを認知させたいケースだ。

このケースではターゲットの関心と自社のソリューションが近接するテーマでコンテンツを制作するのが良いと思われる。例えば、転職支援サービスを認知させるために、業界の著名人に自身のキャリアパスについて取材して記事化し、読者にスキルアップや転職などの選択肢に気づかせる、といったやり方だ。インタビュー記事はターゲットの関心を集めやすく、記事中で自然とターゲットに現状への不満やペインポイントに気づかせ、ニーズを喚起するような工夫が行いやすい。 

自社のターゲットにこだわらず、例えばビシネスパーソン全般にブランドを認知させたい、ブランドを再発見させたいということであれば、自社の事業領域に無関係な流行りのテーマを記事にするという方法もある。記事内容が自社の事業内容と関連性が薄くても、自社のブランド名を冠したサイト名にすればブランド想起のきっかけを作ることができる。例えば、

ライフハック、仕事術、読書術
Facebook、LINE、iPhoneなど、話題の製品やサービスの最新情報

などのテーマは検索流入が期待できるだけでなく、Facebookのいいね!やはてなブックマークへの登録などのソーシャルアクションを促しやすい。
ハイプ曲線の黎明期・流行期にある技術の情報(例:ソーシャル、モバイル、クラウド)なども集客しやすい。ジョーク記事も集客面では有効だが、企業ブランドにネガティブな影響を与えるリスクがあり、バランス感覚が求められる。 

広範なテーマの人気のでやすい記事で購読者を増やしつつ、時折自社の紹介記事を交ぜることもできる。ただ、こうした方法で集客した購読者は必ずしも自社の顧客層と重ならないことが多く、販売への効果は限定的になると思われる。流行りのキーワードを記事にする際も集客後の最終コンバージョンを意識してテーマを取捨選択することが必要だ。


いずれのケースも「集客」「購読」「販売」の3つを意識したメディア設計が必要となる。