小さなごちそう

プロダクトマネジメントや日々の徒然について

ミケランジェロと運慶にプロダクトマネージャーの理想像を見る

I saw the angel in the marble and carved until I set him free.

(私は大理石の中に天使を見た。そして天使を自由にするために彫ったのだ。)

 これはミケランジェロが遺したと言われる名言だ。

夏目漱石の「夢十夜」にもこんな話がある。仁王像を掘る運慶の姿に感心した「自分」に、隣の男がこう語る。

「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋うまっているのを、鑿のみと槌つちの力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」

新しいプロダクトの立ち上げをしていると、暗闇の中でゴールを目指して走っているような感覚に襲われる。目的や戦略に対して、とるべき戦術の選択肢は無数にある。全てが未確定な中でプロダクトのあるべき姿、様々な要素のベストな組み合わせを見極めなければならない。

無限の組み合わせの中からあるべきプロダクトの姿を見つけ出す。結果的には誰の目から見ても自明で、それ以外の選択肢などありえないように見える。そんなプロダクトづくりができるプロダクトマネージャーになりたいものだ。