小さなごちそう

プロダクトマネジメントや日々の徒然について

プロダクトマネージャー不要論

「私がプロダクトマネージャーを絶対に雇わない理由」という刺激的なタイトルの記事をMediumで見つけた。HubSpotの元CPOで、Driftというマーケティング支援サービスのCEO、David Cancel氏の記事だ。コメント欄も盛り上がっている。

プロダクトマネジメントを専門とする自分としてはなかなか認めがたい主張ではある(笑

medium.com

ざっくり要約するとこんな感じだ。

  • スタートアップの世界は変化が早く、過去の経験が役に立たない
  • 各社でPMの仕事の範囲が違う。ある会社ではプロジェクトマネージャーのことだったり、ある会社ではプロダクトマーケターのことだったりする。
  • プロダクトで差別化するなら他社の経験はむしろ忘れてもらう必要がある
  • プロダクトに情熱を持っていて学習能力の高い未経験者を雇うべし。
  • プロダクトジャンキーで、好奇心が強く、プロダクト改善のアイデアを持っていて、顧客中心のマインドセットを持った人を採用した方がいい。

創業者がProduct-drivenな人で、実質的に創業者がプロダクトマネージャーを兼任しているようなスタートアップであれば、この主張は正しいかもしれない。またプロダクトへの情熱や顧客中心のマインドセットといった採用要件はその通りだろう。

ただ、組織規模や事業規模が一定以上大きくなって、創業者自らがプロダクト開発を指揮できないフェーズになると、やはり経験を持ったプロダクトマネージャーを採用する必要がでてくる。

うまくいったグロースハック施策を他社でそのまま展開できると考えるようなPMは確かに必要ない。しかし、顧客の真の課題を理解し、実現可能なソリューションを考案し、実装過程で明らかになる矛盾を解消する、といったPMのスキルはスタートアップであれ大企業であれ共通して必要なものだと考える。

などと思いつつ、経験や方法論に縛られず「狂ったアイデアの実践」ができるPMにならなければならないと自戒した次第。