本の書き方 その1 〜『ゼロから始めるプロダクトマネジメント』の場合
拙著『ゼロから始めるプロダクトマネジメント』、おかげさまで多くの方にお読みいただいてます。今のところTwitter上のコメントやAmazonのレビューは「わかりやすい」「後輩に進めたい」などポジティブな内容ばかりで、ほっと胸をなでおろしています。
さて、本書のなかで「ペーパープロトタイプを作ろう」という話が出てきます。
アイデアをプロトタイプとして具体化することで、自分のアイデアを客観的にターゲットの視点で評価しやすくなります。(もちろんユーザーテストも)
書籍も一つのプロダクトと考えて、今回の書籍執筆においてもプロトタイプを作成しました。この記事ではプロトタイプ作成から書籍完成までのプロセスをご紹介します。
まず、MacのKeynoteを使って書籍の体裁で原稿を作成しました。本当はもっと適したDTPツールがありそうですが、手元にあって使い慣れたツールを採用。
まずこんな感じで行数・文字数がわかるガイドを配置したテンプレートを作ります。
このテンプレートに文章を書き、イラストを挿入していきます。
一通りかけたらA4サイズで両面印刷したものを裁断し簡易製本。これでプロトタイプ完成です。
これがホントのペーパープロトタイプ。
駆け出しPMだったころの自分を想像しながらこのプロトタイプ版を通して読み、このキーワードは入れておくべき、この章は短すぎるのでは、話が唐突だ、抽象的すぎる、などセルフ突っ込みをいれながら推敲していきます。
何度か推敲したあと、PDFにして担当編集者さんに送付。方向性のOKが出たので、今度は原稿をGoogle Documentにすべて転記して編集者さんに共有します。最初からGoogle Docsで書けば良いのでは、と思われるかもしれませんが、本の体裁になっているのといないのとでは、読者が本を手にとったときのイメージのしやすさが全然違うのですね
DocsとKeynoteの二重管理のツラミ。
このあとはGoogle Docs上で編集者さんとやりとりして推敲を重ねつつ、修正した箇所はKeynoteのプロトタイプ版にも反映し、ある程度修正を重ねたあとに再度印刷して簡易製本してチェック。
原稿がほぼ固まったらプロのデザイナーさんに本文デザインをしてもらいます。その結果がこちら。
うーん、プロデザイナーの力はすごい。当たり前ですがプロトタイプ版とは全然違いますね!
印刷所に入稿され、完成した本がこちら。
Keynoteで最初の原稿を書き始めてからここまで約6ヶ月です。執筆期間半年というのは長いのか短いのかわかりませんが、実はこの前に大量のボツ原稿を生産した期間があります。(ボツ原稿の内容は今後noteで少しずつ公開予定)
IT系の書籍だとGitHubを使ったりもっとモダンなプロセスで執筆することが多いと思います。今回の私のやり方はかなり泥臭くて手間がかかるので、これから本を書く人の参考にはならないと思いますが、一例として。
ということで、こんなプロセスを経て完成したプロダクトマネジメント入門書をぜひお読みいただけると嬉しいです。ご購入はコチラ。
続く(かも)