小さなごちそう

プロダクトマネジメントや日々の徒然について

大人にも読んで欲しい「はじめてであう すうがくの絵本」

子どもが読んでいた絵本にとても感銘をうけたので紹介する。

はじめてであう すうがくの絵本 (1)

はじめてであう すうがくの絵本 (1)

 

本書は足し算や掛け算をの正確さや早さを訓練するような算数ドリルとは異なり、数学的な考え方を身につけることを目的にしている。大人向けのあとがきで、著者は次のように書いている。

もし数や図形を教えるだけなら、ほかにもよい算数の本はたくさんあります。
算数だけでなく、他の学問全般に共通する考え方を教え、発見や想像の喜びを分かちあい、たまには迷路にさそいこんでくやしがらせる、そんなおもしろい本はできないものか、と考えたのです。

この「学問全般に共通する考え方」は社会人に求められる問題解決力の向上にもつながるものだ。機会があったらぜひ読んでみて欲しい。

本書は「なかまはずれ」「ふしぎなのり」「じゅんばん」「せいくらべ」の4つのパートに分かれている。内容を少しだけ紹介しよう。

「なかまはずれ」を探す。

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遠くに住んでいる人と「せいくらべ」ができるように、棒の高さで背を比べる。

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本書で学ぶ「考え方」には、最近個人的に興味を持っているComputational Thinking(CT)と共通するものを感じた。「なかまはずれ」はCTにおけるPattern Recognitionに繋がるし、「せいくらべ」はAbstractionだ。改めて考えるとCTの考え方の大半は、高校レベルの数学を学び様々な問題を解く過程で自然と身につくものかもしれない。ただAutomation(Algorythm)は数学を学ぶだけでは身につきにくい、CT固有の考え方と言えそうだ。

Algorithm Designを目的にして、必要なDecomposition、Pattern Recognition、Abstractionを行うのが数学的思考と計算論的思考(Computational Thinking)の違いだと考えるとわかりやすいかもしれない。

全3巻だったので、早速残り2巻を注文した。 

はじめてであう すうがくの絵本 (2)

はじめてであう すうがくの絵本 (2)

 
はじめてであう すうがくの絵本 (3)

はじめてであう すうがくの絵本 (3)