企画者のための名言メモ
Evernoteに書き留めてあった名言集のお蔵出し。
「何よりもまず私自身が欲求不満で、なんとかしたい、なんとかなりたいという気持ちがいつも頭の中にある。それが積もり積もって、読者、消費者の代弁者として、そういう欲求から企画が立つのです」
— 光文社2代目社長 神吉晴夫
「未来はすでに到来している 。 まだ均等に存在していないだけだ。」
"The future is here. It's just not widely distributed yet. "
— ウィリアム・ギブスン
「優れたアイデアと優れたプロダクトの間には、とてつもない量のクラフトマンシップが必要だ」
"There is just tremendous amount of craftsmanship in between a great idea and a great product. "
— スティーブ・ジョブズ
「複雑さを排除することではなく、複雑さの中に秩序を見出すのがデザインである」
— ジョナサン・アイブ
「問題をきちんと述べられれば、半分は解けたようなものだ」
— ジョン・デューイ
「自分の意見を通すことより、最高の意見を見つけることを考えよ」
— ウッデン・コーチ
"Never tell people how to do things.Tell them what to do."
— 不明
The most exciting phrase to hear in science, the one that heralds the most discoveries, is not “Eureka!” but “That’s funny…”
— Isaac Asimov
PM向けウェビナー「プロダクトマネージャー3年目の壁を突破しよう」
11/18に翔泳社主催のウェビナーに登壇します。
- 11月18日(水)19時~
- オンライン開催(Zoom)
- 参加費は無料(事前登録制)
このウェビナーでは、プロダクトマネージャーになって3年ほどたちPMの仕事に慣れてきた方を対象に、さらにPMとして一段成長するためのヒントについてお話しします。
ウェビナーの内容は簡易なケーススタディ方式です。架空のプロダクト「TaskLean」のプロダクトマネージャーになった、という状況設定における4つのシーンについてPMとしての対処方法を考えます。
参加者の皆さんには以下に記載する4つのシーンについて、事前に対処方法や問題の原因を考えていただきます。(ウェビナー中にチャットを通じて意見を求めます。チャットでの発言は任意です)
基本設定
あなたは企業向けタスク管理ツールTaskLeanのプロダクトマネージャーだ。
JIRAやRedmineといった開発チーム用のタスク管理ツールではなく、総務や営業といった開発以外の部門で利用することを想定したツールである。
あなたの会社は企業向けのソリューションをいくつか提供しており、タスク管理ツールはその一つだ。
サービスローンチから1年経過しており、単月黒字を達成しているが売上成長は当初の見込みを下回っている。
TaskLeanは契約前にトライアル利用が可能だ。Webサイト上でユーザー登録をすると、すべての機能を無料で3ヶ月間利用できる。プロダクトが気に入れば、有料での利用申込みを行うことでトライアル利用中のデータを引き継いでそのまま利用できる。
あなたの会社は職能別組織で、あなたはプロダクト企画部に所属している。
- プロダクト企画部(←あなたの所属)
- プロダクト開発部
- マーケティング部
- 営業部
タスク管理ツールTaskLeanの開発チームはエンジニア3名、デザイナー1名、QAエンジニア1名、それにPMのあなたの合計6名のチームだ。
シーン1
「なぜこの機能を作る必要があるんですか?」
定例MTGであなたがこれから開発する新機能について説明すると、チームのテックリードからそう質問があった。
あなたはタスクに複数の担当者を設定する機能を追加しようとしている。
以前ユーザーヒアリングをしたところ、タスク発生時に担当者が決まっていないことがあり、一旦チームメンバー全員を担当者にしたいという要望が多かった。現状は担当者を空欄にしてタスクを追加いているが、そうすると新着タスクが誰にも通知されないので、新規タスクを見落としてしまうのだ。
あなたがそうしたユーザー課題や利用シーンを繰り返し説明しても納得しない様子だ。説明はわかったが開発する意味があると思えないとのこと。
シーン2
「マーケチームはこんなにリード獲得やトライアル利用を増やしている。それなのに営業チームとプロダクトチームがちゃんとやってくれないから売上が伸びない」
マーケティング部門のリーダーがリード数やトライアル件数のグラフを見せながら苛立ちを隠さずに言う。確かにリード獲得数や3ヶ月間のトライアル利用者数はここ数ヶ月右肩上がりだ。獲得コストも抑えられているらしい。
「トライアル利用から契約に至らないのはプロダクトが使いづらいからではないか。ユーザビリティテストをしてUXを改善してほしい」
実績を出しているチームからそう言われると反論しづらい。マーケチームは広告予算を増やしてもっと獲得数を伸ばすことで当面の契約数を増やそうとしている。
ただどうしてここまでトライアル利用からのコンバージョンレートが低いのだろうか。そこまでプロダクトが使いづらいとは思えない。
シーン3
「競合と比べると機能数が全然足りないんだよ」
営業チームのリーダーの発言だ。提案する前に機能比較表ですでに負けている、というのだ。
競合プロダクトには、ガントチャート機能やタスクボリュームを可視化する機能、タスクの入力項目を自由にカスタマイズできる機能など、あなたの担当プロダクトにない機能が豊富に揃っている。
とはいえすべての機能差を埋めるには開発チームの人員が不足している。営業メンバーは口を揃えて機能差を解消しないと商談を先に進めることができないと言う。
機能を増やしてほしいという営業チームと、工数に限りがあるというあなたとの間の溝は何度話しても埋まらない。平行線状態だ。
シーン4
「Slack連携機能を追加しよう」
社長から次の機能開発について指示があった。Slackに新着タスクを通知したり、Slackからコマンドでタスクを追加できるようにしよう、というわけだ。
有力な販売代理店の営業部長からSlack連携機能があればもっと売れる熱弁されたらしい。
あなたは気乗りがしない。あなたの担当プロダクトはIT業界以外での利用が多い。IT業界での導入例も多いが、技術部門ではなく総務部門などITリテラシーがさほど高くないスタッフが多い部門で利用されている。利用企業のSlack導入率も不明だ。
Slack新着タスクやタスクの更新を確認できる画面を用意したほうが良いのではないかと思っている。ただ、社長の意気込みは強く、異論を挟む余地が無いように見える。
上記のシーンにおいて、PMとしてどう振る舞うべきか考えてみてください。
答えは一つではありません。情報が不足している場合はご自身で前提をおいてください。
それでは皆さまとウェビナーでお会いできることを楽しみにしております!😃
【追記】ウェビナーの内容をnoteにまとめました。
本の書き方 その1 〜『ゼロから始めるプロダクトマネジメント』の場合
拙著『ゼロから始めるプロダクトマネジメント』、おかげさまで多くの方にお読みいただいてます。今のところTwitter上のコメントやAmazonのレビューは「わかりやすい」「後輩に進めたい」などポジティブな内容ばかりで、ほっと胸をなでおろしています。
さて、本書のなかで「ペーパープロトタイプを作ろう」という話が出てきます。
アイデアをプロトタイプとして具体化することで、自分のアイデアを客観的にターゲットの視点で評価しやすくなります。(もちろんユーザーテストも)
書籍も一つのプロダクトと考えて、今回の書籍執筆においてもプロトタイプを作成しました。この記事ではプロトタイプ作成から書籍完成までのプロセスをご紹介します。
まず、MacのKeynoteを使って書籍の体裁で原稿を作成しました。本当はもっと適したDTPツールがありそうですが、手元にあって使い慣れたツールを採用。
まずこんな感じで行数・文字数がわかるガイドを配置したテンプレートを作ります。
このテンプレートに文章を書き、イラストを挿入していきます。
一通りかけたらA4サイズで両面印刷したものを裁断し簡易製本。これでプロトタイプ完成です。
これがホントのペーパープロトタイプ。
駆け出しPMだったころの自分を想像しながらこのプロトタイプ版を通して読み、このキーワードは入れておくべき、この章は短すぎるのでは、話が唐突だ、抽象的すぎる、などセルフ突っ込みをいれながら推敲していきます。
何度か推敲したあと、PDFにして担当編集者さんに送付。方向性のOKが出たので、今度は原稿をGoogle Documentにすべて転記して編集者さんに共有します。最初からGoogle Docsで書けば良いのでは、と思われるかもしれませんが、本の体裁になっているのといないのとでは、読者が本を手にとったときのイメージのしやすさが全然違うのですね
DocsとKeynoteの二重管理のツラミ。
このあとはGoogle Docs上で編集者さんとやりとりして推敲を重ねつつ、修正した箇所はKeynoteのプロトタイプ版にも反映し、ある程度修正を重ねたあとに再度印刷して簡易製本してチェック。
原稿がほぼ固まったらプロのデザイナーさんに本文デザインをしてもらいます。その結果がこちら。
うーん、プロデザイナーの力はすごい。当たり前ですがプロトタイプ版とは全然違いますね!
印刷所に入稿され、完成した本がこちら。
Keynoteで最初の原稿を書き始めてからここまで約6ヶ月です。執筆期間半年というのは長いのか短いのかわかりませんが、実はこの前に大量のボツ原稿を生産した期間があります。(ボツ原稿の内容は今後noteで少しずつ公開予定)
IT系の書籍だとGitHubを使ったりもっとモダンなプロセスで執筆することが多いと思います。今回の私のやり方はかなり泥臭くて手間がかかるので、これから本を書く人の参考にはならないと思いますが、一例として。
ということで、こんなプロセスを経て完成したプロダクトマネジメント入門書をぜひお読みいただけると嬉しいです。ご購入はコチラ。
続く(かも)
プロダクトマネージャーカンファレンス2020を開催します。
10月24日に第5回めのプロダクトマネージャーカンファレンスを開催が開催されます。今回も私は実行委員として企画運営に関わらせてもらっています。
ソーシャルディスタンスが必要な昨今の状況を踏まえて、今回はZoomとDiscordを使ったオンライン開催になります。
Zoomだけだとほぼ一方通行で講演を聞くことになりますが、Discordを併用することで、登壇者や他の参加者と交流が可能になります。PM Meetup by pmconfでも同様の形式で開催したのですが、オフラインとは全く別のイベント体験で、参加者の皆さんの満足度も非常に高かったようです。
参加者募集開始後2日で400人近い申し込みがあり、プロダクトマネジメントへのさらなる関心の高まりを感じています。オンライン開催により地理的な制約がなくなったため、全国どこに住んでいてもから参加可能ということも大きいですね。
オンラインイベントは独自のUXがあり、オフラインでイベントを開催できるようになってもオンラインで開催されるイベントは減らないのでは、と個人的には感じています。「物理的に集まれないからオンラインで」ではなく、「より充実したイベント体験のためにオンライン開催にする」という選択が増えるかもしれません。
さて、今回はpmconfとして初めてセッションの公募を行います。たくさんのご応募をお待ちしております。
良いプロダクトを作るためにはプロダクトマネジメントが必要です。日本でもっともっとプロダクトマネジメントが普及・発展していくには、組織や企業の壁を超えたプロダクトマネージャー同士の交流が必要です。また、直接プロダクト開発に関わらない人たちにもプロダクトマネジメントの重要性を広く伝えていく必要があります。プロダクトマネージャーカンファレンスはそのための場でありたいと考えています。
なにはともあれ、年に一度のPMの祭典として、プロダクトマネジメントに関わるみなさんで盛り上がりたいですね。
ABCで学ぶプロダクトマネジメント
面白い本を見つけたのでご紹介。
この本ではアルファベット順のキーワードで、ユーモラスにプロダクトマネジメントを解説している。
N is for no authority
プロダクトマネージャーは通常、権限を持っていない
PMは次にやるべきことを、データやロジックで納得してもらわなければならない。経験方法なPMは賄賂を渡す。
皮肉が効いていて、プロダクトマネジメント経験者なら苦笑いしてしまうこと間違いなしだ。(kindle unlimited会員なら無料で読める)
お知らせ
プロダクトマネジメントに関する入門書を書きました。これからPMになる人、これからプロダクト開発に関わる人はぜひご覧ください。
書籍「ゼロから始めるプロダクトマネジメント」
プロダクトマネジメントに関する本を書きました。
本書は、中学2年生の「たかし君」がスマホアプリを作りながらプロダクトマネジメントを学ぶ、というストーリー形式の入門書です。
「みんなに使ってもらえるプロダクトを作りたい」
そう考えるたかし君が、従兄弟のお兄さんの力を借りながらスマホアプリの開発を進めていきます。読者はたかし君の成長ストーリーを通じてプロダクトマネジメントを学ぶことができます。
書店に並ぶのは8月末の予定ですが、各オンライン書店で予約受付中です。
初学者向けのプロダクトマネジメントの本を書きたい、と思ったのが本書執筆のきっかけです。PM向けの本は洋書が何冊か翻訳されておりいずれも良書なのですが、一定のPM経験がある人向けで、初学者向けの本が必要ではないかと思っていました。
プロダクトマネジメントを要素分解すると、デザイン思考、システム思考、アジャイル開発、リーンスタートアップなどに分解できます。また、プロダクトマネージャーは、問題解決、UX、マーケティング、リーダーシップ、ファシリテーションなどの知識やスキルを総動員してプロダクトマネジメントを行います。いわば総合格闘技ですね。
それぞれの分野で既にわかりやすい本が何冊も出版されていますから、一通り読めば必要な知識を身につけることができるでしょう。
では各分野について学べばプロダクトマネジメントを理解したことになるのか、というとそうではありません。全体は部分の総和と異なります。そこで、PMに必要な各分野の知識を網羅的に伝えることを本書のゴールとせず、架空のケースを通じて「価値あるプロダクトを作るプロセスの全体像」を掴んでいただくことをゴールにしました。
実はこの本には「プロダクトマネージャー」「PM」という単語が出てきません。ストーリーの主人公も自分自身をプロダクトマネージャーと呼んでいません。プロダクトマネジメントはPMだけのものではなく、プロダクト開発に関わる人全てが知っておくべき知識だと考えたからです。
PMだけがプロダクトマネジメントを理解しているチームと、メンバー全員がプロダクトマネジメントを理解しているチームでは、どちらが良いプロダクトを作れるでしょうか。言うまでもなく後者ですよね。
良いプロダクトはチーム全員で作るものです。エンジニアやデザイナーだけでなく、セールスやマーケティングを担当する人もプロダクトを作るプロセスに関わっています。ですから、「これからプロダクトマネジャーになる人」だけでなく、「プロダクトマネージャーと一緒に働く人」にも、ぜひ本書を手に取っていただきたいと思っています。(そして将来プロダクト関係の仕事をしたいと考えている中高生にも)
なお、本書ではリーンキャンバスのような定番フレームワークや、PRDなどのフォーマットについて、ほとんど言及していません。プロダクトマネジメントを進める上で必要となる物の見方や考え方を伝えることに努めました。また、たかし君が一人でプロダクト開発を進める話なので、チームワークについても触れていません。そうした内容はまた別の機会に(もしあれば続編で)解説したいと思っています。
出版記念のオンラインイベントを開催する予定です。詳細は未定ですが、Doorkeeperで開催告知しますので、ご興味ある方はぜひフォローをお願いします。
プロダクトマネージャーカンファレンス2019のお知らせ #pmconfjp
今年で4回目となるプロダクトマネージャーカンファレンス2019が開催されます。
日時:11/12(月) - 11/13(火)
会場:ベルサール渋谷ファースト
私は本年も実行委員として開催に関わっております。
今年のテーマは「すべての企業にプロダクトマネジメントを」
プロダクト開発の現場において、プロダクトマネジメントの必要性を疑う人は少ないのではないでしょうか。一方で、プロダクトマネジメントのあり方に正解はなく、共通する部分はある一方でプロダクトマネージャーの職務内容は各社様々です。そうしたなかで「プロダクトマネジメントを導入したいが自社に適用できるのかわからない」「自社のやり方が正しいのかわからない」という声もまだまだ耳にします。
今回のカンファレンスでは、様々な事業フェーズ、様々な業界におけるプロダクト開発の第一人者をお招きしております。前述のような課題感を感じる方は、ぜひ本カンファレンスにご参加ください。きっと自社にマッチするプロダクトマネジメントのモデルケースを発見できるでしょう。(もちろんそうでない方も!)
気になる登壇者は...
基調講演にはInspiredのMarty Cagan氏と、Zoom Video CommunicationsのCIO Harry D. Moseley氏に登壇いただきます。
(なお、InspiredはVer.2の日本語版が今月発売される予定です。)
その他、バラエティに富んだ魅力的なスピーカーが多数登壇予定。
登壇者情報は随時更新されます。アップデート情報がTwitterで告知されますので、こちらもぜひフォローをお願いします。
それでは皆さま、会場でお会いしましょう!
【追記】当日の運営をお手伝いいただけるボランティアスタッフを募集中です。大規模カンファレンスの舞台裏を覗いてみたい方、ぜひご応募ください。