小さなごちそう

プロダクトマネジメントや日々の徒然について

書籍「ゼロから始めるプロダクトマネジメント」

プロダクトマネジメントに関する本を書きました。

本書は、中学2年生の「たかし君」がスマホアプリを作りながらプロダクトマネジメントを学ぶ、というストーリー形式の入門書です。

「みんなに使ってもらえるプロダクトを作りたい」
そう考えるたかし君が、従兄弟のお兄さんの力を借りながらスマホアプリの開発を進めていきます。読者はたかし君の成長ストーリーを通じてプロダクトマネジメントを学ぶことができます。

書店に並ぶのは8月末の予定ですが、各オンライン書店で予約受付中です。 

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 初学者向けのプロダクトマネジメントの本を書きたい、と思ったのが本書執筆のきっかけです。PM向けの本は洋書が何冊か翻訳されておりいずれも良書なのですが、一定のPM経験がある人向けで、初学者向けの本が必要ではないかと思っていました。

プロダクトマネジメントを要素分解すると、デザイン思考、システム思考、アジャイル開発、リーンスタートアップなどに分解できます。また、プロダクトマネージャーは、問題解決、UX、マーケティング、リーダーシップ、ファシリテーションなどの知識やスキルを総動員してプロダクトマネジメントを行います。いわば総合格闘技ですね。

それぞれの分野で既にわかりやすい本が何冊も出版されていますから、一通り読めば必要な知識を身につけることができるでしょう。

では各分野について学べばプロダクトマネジメントを理解したことになるのか、というとそうではありません。全体は部分の総和と異なります。そこで、PMに必要な各分野の知識を網羅的に伝えることを本書のゴールとせず、架空のケースを通じて「価値あるプロダクトを作るプロセスの全体像」を掴んでいただくことをゴールにしました。

実はこの本には「プロダクトマネージャー」「PM」という単語が出てきません。ストーリーの主人公も自分自身をプロダクトマネージャーと呼んでいません。プロダクトマネジメントはPMだけのものではなく、プロダクト開発に関わる人全てが知っておくべき知識だと考えたからです。

PMだけがプロダクトマネジメントを理解しているチームと、メンバー全員がプロダクトマネジメントを理解しているチームでは、どちらが良いプロダクトを作れるでしょうか。言うまでもなく後者ですよね。

良いプロダクトはチーム全員で作るものです。エンジニアやデザイナーだけでなく、セールスやマーケティングを担当する人もプロダクトを作るプロセスに関わっています。ですから、「これからプロダクトマネジャーになる人」だけでなく、「プロダクトマネージャーと一緒に働く人」にも、ぜひ本書を手に取っていただきたいと思っています。(そして将来プロダクト関係の仕事をしたいと考えている中高生にも) 

なお、本書ではリーンキャンバスのような定番フレームワークや、PRDなどのフォーマットについて、ほとんど言及していません。プロダクトマネジメントを進める上で必要となる物の見方や考え方を伝えることに努めました。また、たかし君が一人でプロダクト開発を進める話なので、チームワークについても触れていません。そうした内容はまた別の機会に(もしあれば続編で)解説したいと思っています。 

出版記念のオンラインイベントを開催する予定です。詳細は未定ですが、Doorkeeperで開催告知しますので、ご興味ある方はぜひフォローをお願いします。