プロダクトマネージャーの道具箱

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プロダクトマネジメントや日々の徒然について

プロダクトマネジメントの起源と歴史

MindTheProductに米国のプロダクトマネジメントの起源と歴史が解説されている。

  1. P&Gのニール・マッケロイ(Neil H. McElroy)が1931年にブランドマネージャーの職務定義に関する800語のメモを書く。徹底的なフィールド調査と顧客との交流を推奨。セールスからプロダクト、広告宣伝までを統括するブランド・マネジメントの礎を築く。
  2. マッケロイが当時スタンフォードの学生だったHP創業者、ビル・ヒューレットとデビッド・パッカードに影響を与える。(HPは1939年創業)
  3. HPは大野耐一や豊田英二が戦後に築いたトヨタ生産方式(Toyota Production System)に影響を受けて、カイゼンや現地現物などの考え方を取り込む。
  4. HPの卒業生たちは、顧客中心主義やブランド単位の管理、リーン生産方式などの考え方を急成長していたシリコンバレーに広める。
  5. トヨタ生産方式はアジャイル開発やスクラムにも影響を与える。アジャイルによってプロダクトマネージャーは膨大な仕様書を書く労力から開放され、より顧客と向き合うことができるようになる。

だいたいこんな流れのようだ。マッケロイのメモをざっと訳すと次のようになる。

  • 出荷される商品を十分理解せよ
  • 成功事例を横展開せよ
  • 過去の広告やプロモーション施策の歴史を調べよ
  • フィールド調査してディーラーや顧客を知れ
  • 課題を特定して解決案を考えるだけでなく費用対効果を明確にせよ
  • 販売計画が成功するよう最初から最後までセールス担当をサポートせよ
  • 施策の効果を計測せよ
  • すべての顧客接点に対して全責任を持て
  • すべての広告費用に全責任を持て
  • 地区マネージャーを訪問してその地区のプロモーションの失敗について何度でも議論せよ

現代のプロダクトマネージャーの役割に通じるものがあるが、ソフトウェアやインターネットサービスと比べると、P&Gのような消費財メーカーの製品は開発期間が長期に渡るため、ブランドマネージャーのプロダクトへの関わりはパッケージングなど限定的なものだったようだ。

下記の記事ではP&Gの元ブランド担当であり1981年にIntuitを創業者したスコット・クックをプロダクトマネジメントの起源の一つとしている。いずれにしてもP&Gのマッケロイの影響が大きい。

The Origins of Product Management (part 2) – On Product Management

Intuitは個人向けの会計ソフトの実際の利用状況を知るために、"Follow me home"というプログラムを展開して顧客を訪問し、エスノグラフィー的観察手法で顧客理解につとめたらしい。

 

トヨタの影響力の大きさに日本人として驚くばかりだが、トヨタの利益は多くの企業に影響を与えた生産方式(Toyota Production System:TPS)の方ではなく、製品開発 (Toyota Product Development:TPD)によって生み出されているとのことだ。

 

「タレント」の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 (講談社現代新書)

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