小さなごちそう

プロダクトマネジメントや日々の徒然について

プロダクトマネージャーの仕事

本の書き方 その1 〜『ゼロから始めるプロダクトマネジメント』の場合

拙著『ゼロから始めるプロダクトマネジメント』、おかげさまで多くの方にお読みいただいてます。今のところTwitter上のコメントやAmazonのレビューは「わかりやすい」「後輩に進めたい」などポジティブな内容ばかりで、ほっと胸をなでおろしています。 ゼロ…

プロダクトマネージャーなんていらない?

プロダクト開発において「プロダクトマネジメント」は必須だ。ユーザー課題を解決できる、技術的/社会的に実現可能、経済的継続性がある(要は儲かる)、そんなプロダクトを定義して実現し、世に送り出すこと。ざっくり言うとこれがプロダクトマネジメントで…

モデリングしてますか?

インターネットサービスは非常に多くの要素が相互作用する複雑なシステム。システムの理解にはモデリングが必要だ。問題というものは定義しないと解決出来ない。同様にシステムはモデリングしないと振る舞いを変えられない。モデル化することでシステムの過…

Product Principles(製品の原理原則)とは

(この記事はProduct Manager Advent Calendar 2016の24日目のエントリーです) Product Principles(製品の原理原則)とは、プロダクトの方向性を決める意思決定の基準となるものだ。Inspiredの13章で解説されているものを超ざっくり要約すると下記のような…

プロダクトマネジメントが難しい7つの理由

企画の承認を得たら要件を整理して共有し、成果物レビューしてリリースされたらプロモーションを行う。言葉にすると簡単だけど、プロダクトマネジメントが一筋縄では行かない理由は何なんだろうか。 自分たちが提供できるもの、提供したいものを作ってしまう…

プロダクトマネジメントの起源と歴史

MindTheProductに米国のプロダクトマネジメントの起源と歴史が解説されている。 P&Gのニール・マッケロイ(Neil H. McElroy)が1931年にブランドマネージャーの職務定義に関する800語のメモを書く。徹底的なフィールド調査と顧客との交流を推奨。セールスから…

2016年4月の注目記事まとめ

プロダクトマネジメントに関する記事で、4月に話題になったものをピックアップしてご紹介。 freeeのCEO佐々木大輔さん自身によるプロダクト開発の振り返り。ターゲットセグメントとそれに対するベネフィットを定義すること、オーバスペックにならずMVPに向か…

プロダクトマネージャー オフ会#3 フォトレポート

昨日はpmjpの第3回目のオフ会@サイボウズでした。 これまでは交流メインの会でしたが、今回は初めてプレゼンx2、LTx4というコンテンツありの会となりました。プレゼン資料は別途公開されると思いますので、写真で会場の雰囲気をご紹介。 入り口。新オフィス…

プロダクトマネージャー不要論

「私がプロダクトマネージャーを絶対に雇わない理由」という刺激的なタイトルの記事をMediumで見つけた。HubSpotの元CPOで、Driftというマーケティング支援サービスのCEO、David Cancel氏の記事だ。コメント欄も盛り上がっている。 プロダクトマネジメントを…

noteマガジン「職業としてのプロダクトマネージャー」を始めました。

noteのマガジンを作りました。 note.mu 組織内でプロダクトマネージャーとして活躍するために知っておくべきことを、私なりに整理してお伝えしたいと思っています。 私の個人的なテーマは再現性です。 どんな環境でもどんな分野のプロダクトでも、一定水準の…

ミケランジェロと運慶にプロダクトマネージャーの理想像を見る

I saw the angel in the marble and carved until I set him free. (私は大理石の中に天使を見た。そして天使を自由にするために彫ったのだ。) これはミケランジェロが遺したと言われる名言だ。 夏目漱石の「夢十夜」にもこんな話がある。仁王像を掘る運慶…

資料公開:プロダクト開発におけるプロダクトマネージャーの役割とは #devsumi‬

デブサミ2016でプロダクトマネジメントについて講演させていただきました。 大きめの会場が満席とのことで、プロダクトマネジメントに対する関心の高まりを感じました。内容は既出50%、新ネタ50%といった感じですが、資料を公開しますのでよろしければご覧く…

E-mailについてプロダクトマネージャーが知っておくべきこと

コミュニケーションの手段としてE-mailは過去のものになりつつある。 Slackは相変わらず人気だし、プライベートだけでなく仕事上のコミュニケーションもFacebookメッセージやLINEで済ませてしまう、という人も多い。メールの失敗談も良く聞く。 とはいえネッ…

プロダクトマネージャーに求められる知識・スキル・コンピテンシーとは

プロダクトマネージャーのスキル標準を作れないかと思い、まずは項目を整理してみた。これからPMを目指そうという方や、PMとしてスキルアップしたいと考えている方の参考になれば嬉しい。(なお、インターネットサービスのPMを想定している) 知識 市場・事…

プロダクトマネージャー制度を導入するにはどうすれば良いのか

KAIZEN platform Inc. 技術顧問 伊藤直也さんの、プロダクトマネージャーに関するツイートがとても示唆に富んでいるのでまとめさせていただく。 ソフトウェアエンジニアのひとがなにかと口うるさいの、組織的な怠慢のツケをはらう羽目になるのがだいたい自分…

起業家としてのPM、職業としてのPM

Kaizen Platformさんとの共同セミナー「Webサービスの事業成長を牽引するプロダクトマネージャーになるには?」ですが、非常にたくさんの方にご参加いただきました。お忙しい中ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。 私のプレゼンでは、組織の中…

忍術でもええで(アイデアを生む3つの要素)

西堀 栄三郎という方をご存知だろうか。東芝の技術本部長を務めた技術者であり、南極越冬隊の隊長を務めた登山家でもある。戦後の日本の工業発展に大きく貢献したと言われている方だ。僕が密かに心の師匠と呼ぶ人の一人だ。 西堀先生によるとアイデアを生む…

プロダクトマネージャーの仕事はクリエイティブディレクションである

以前、このブログで電通・古川裕也さんによる「クリエイティブディレクターの4つの仕事」を紹介した。 古川さんの「4つの仕事」を知り、プロダクトマネージャーとはテクノロジー分野のクリエイディブ・ディレクターに他ならないと感じた。先日のイベントの講…

資料公開:プロダクトマネージャーに求められるスキルとマインドセットとは

先日開催されたセミナー、「現役プロダクトマネージャーが語る、日本企業におけるプロダクトマネージャーの課題と今後の展望 - POStudy ~プロダクトオーナーシップ勉強会~ 」の講演資料が公開されました。 私のプレゼン資料はこちらです。ご笑覧ください。…

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーはどう違うのか

両方ともPMと略されるため混同する人が多いが、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーは明確に役割が異なる。 Quoraに素晴らしく簡潔な回答があったので引用して紹介する。 Product managers own "What" and "Why".Project managers own "How" a…

ブレストをやめて、ペイン・ストーミングを始めよう

問題解決をスムーズに行うために、ソリューションではなく問題構造を明らかにしようという記事を書いた。まず顧客課題を明らかにしないと、ソリューションが適切かどうか判断することができない。 とはいえ人間の習慣はなかなか変えられないので、複数のメン…

いかにして問題を解決するか

プロダクトマネージャーの仕事は、問題解決の連続だ。私が日々問題解決を行う上で、留意しているポイントを3つ紹介する。 1. 問題の構造を明らかにする「◯◯の機能をつけるのはどうか」など問題の解決策についていきなり議論しだすと話が収束しない。問題の構…

「なぜ」を繰り返すのはなぜか、システム思考の「氷山モデル」で考える

トヨタの生産現場で生まれた「なぜなぜ分析」。 なぜなぜ分析とは、ある問題とその問題に対する対策に関して、その問題を引き起こした要因(『なぜ』)を提示し、さらにその要因を引き起こした要因(『なぜ』)を提示することを繰り返すことにより、その問題への…

プロダクトマネジメントに関する5つの誤解

Extreme Swiss Army knife by Sneed 本職のプロダクトマネージャーではない人たちによく見られる、プロダクトマネジメントについての誤った認識がまとめられている。 <a href="https://medium.com/p/6f72f4ad66c9" data-mce-href="https://medium.com/p/6…

プロダクトマネージャーはどんな仕事をしているのか

私がプロダクトマネージャーとしてプロダクト開発のディレクションを行う際の、一連のプロセス(タスク)を洗い出してみた。 1. ミッションの発見 ユーザー理解(インサイトの発見と整理) ソーシャルリスニング、アンケート、デプスインタビューの実施 関連…

デザイナーがプロダクトマネージャーから学ぶこと。

Facebookのプロダクトデザイナー、Julie Zhuoさんの記事。 例によってざっくり意訳してご紹介。「プロダクトマネージャーがデザイナーから学ぶこと」という逆パターンも考えてみたいですね。

デザイン主導開発とは何なのか

とても興味深い記事があった。 ▼ デザイナーが暴走する組織をつくってはいけないーAirbnbデザイン部門主任が語るスタートアップのあり方 翻訳元の記事はこちら。 Why Airbnb's New Head of Design Believes 'Design-Led' Companies Don't Work | WIRED かん…

プロダクトマネージャー宣言

プロダクトマネージャーを目指す人にとって指針となるようなマニフェストを、日本語で作りたいと思っている。 僕自身も修行中の身だが、僕がプロダクトマネジメントを行う際に気をつけていることをマニフェスト風にざっと書き出してみた。まだ粗々なのでここ…

プロダクトマネージャーは映画「ベイマックス」を絶対に見るべきだ

ベイマックスを見てきた。映画というよりユーザーの好感を得るために細部まで考えつくされたプロダクトのようだと感じた。プロダクトマネージャーとして、自分もこうしたプロダクトづくりをしたいものだと心底思った。小学生の娘と一緒だったので日本語版を…

「ペルソナ」を捨てて、JTBD(Jobs-To-Be-Done)モデルでターゲット顧客を定義せよ

まずはこんな逸話から。 あるファストフード企業がミルクシェイクの売上を改善したいと思った。ミルクシェイクの購入者属性を整理し、同一の属性を持つ人を対象に、重めがいいか軽めがいいか、フルーツ味かチョコレート味か、など、どんなミルクシェイクが理…