資料公開:プロダクト開発におけるプロダクトマネージャーの役割とは #devsumi
デブサミ2016でプロダクトマネジメントについて講演させていただきました。
大きめの会場が満席とのことで、プロダクトマネジメントに対する関心の高まりを感じました。内容は既出50%、新ネタ50%といった感じですが、資料を公開しますのでよろしければご覧ください。
プレゼン中でご紹介した参考図書はこちら。
「思わず買ってしまう」心のスイッチを見つけるための インサイト実践トレーニング
- 作者: 桶谷功
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/10/18
- メディア: 単行本
- 購入: 12人 クリック: 32回
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フィールドブック 学習する組織「5つの能力」 企業変革をチームで進める最強ツール
- 作者: ピーター・センゲ,柴田昌治,スコラ・コンサルタント,牧野元三
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2003/09/19
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プロダクトマネージャーのコミュニティについてはこちらをご覧ください。
Twitterでの来場者の方の反応をみると、ある程度は参考になるお話しができたようで安心しました。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
プロダクトマネージャーの話、製品レベルだけでなく、機能の実現レベルの話として、開発者レベルでも応用できそう。
— oz014 (@oz014) 2016, 2月 19
何より、当たり前の様に見える複数の知識を整理して言語化してくれているのがありがたい。
一見地味なセッションだけど内容の濃さは凄い。#devsumi #devsumiB
PMの話、既出のスライドが多かったけど、わかりやすくてよかった。
— windows文化人間 (@kentana20) 2016, 2月 19
社内にフィードバックできそう。#devsumiB
丹野さんのお話はプロダクトマネージャーと一緒に聞きたかったな。
— Ryo Suzuki(会社ではすーさん) (@hapicky) 2016, 2月 19
PM (プロダクトマネージャー) のプレゼン、当たり前の話とはいえ参考になって面白かった。特に優先度 S 機能の開発タスクが並ぶのあるあるすぎる。だからこそ課題を見つけるの本当に大事だよねー。 #devsumiB
— HORINOUCHI Masato (@thermes8) 2016, 2月 19
memoった. / “デブサミ2016「プロダクト開発におけるプロダクトマネージャーの役割とは」講演メモ #devsumi - 元RX-7乗りの適当な日々” https://t.co/bS6ZnUvtes
— Y.Namikawa / id:rx7 (@namikawa) 2016, 2月 19
E-mailについてプロダクトマネージャーが知っておくべきこと
コミュニケーションの手段としてE-mailは過去のものになりつつある。
Slackは相変わらず人気だし、プライベートだけでなく仕事上のコミュニケーションもFacebookメッセージやLINEで済ませてしまう、という人も多い。メールの失敗談も良く聞く。 とはいえネットサービスにとってE-mailによる通知は、まだまだ重要なログイントリガーだ。
E-mailの特徴や活用方法について参考になる記事があったので、超訳でご紹介。 medium.com
開発リソースが不要
配信対象のユーザーを変えて反応の違いを見る、といった方法で簡単に仮説検証ができる。直ちに効果測定できる
メール配信サービスの多くはトラッキングシステムを備えており、配信結果をビジュアル化してくれる。サンプルユーザーで施策のテストができる
サンプルユーザーで配信テストをした後に本番配信、といったテストが簡単にできる。ユーザーに特定の行動を促すことができる
ユーザー層に応じて最適な配信時間を探す
ビジネスパーソンなら朝の8:00〜9:00、高校生なら学校から帰ってきた夜7:00以降、など。メール本文はユーザー情報を反映したものにする
こんにちは<%first_name%>さん、などテンプレート上のタグをユーザー情報に置換できる仕組みを用いるユーザー行動をトリガーにしたメールを配信する
ショッピングカートに商品を入れた後に離脱したユーザーを対象にしたリマインドメールは、通常のメール配信時より152%開封率が高かった、という例がある。メールの件名や見出しが、通知メールの最初のUXになる
テキストメールの方がシステムメールっぽさが薄い
HTMLではなくテキストメールのほうが、人間とやりとりするような印象を与えやすい。(ベータテストを依頼するようなメールではテキストのほうがベターのことも)メール施策の成功基準を持つ
MailChimpが業界ごとの開封率やクリック率の統計を公開しているメールの種類別に購読解除できるようにする
多くのユーザーはメールを全て止めたい訳ではなく、特定の種類のメールが不要だと思っているだけだ。
2015年、今年買って良かったものトップ5
2015年ももう終わりなので、今年購入して愛用中のアイテムをリストアップしてみる。
1位. Apple Watch
評価が分かれるようだけど僕は愛用している。とはいえ用途は時間の確認、次の予定の確認、新着メッセージの確認ぐらい。GoogleカレンダーなどiPhoneの標準カレンダーと同期できるカレンダーサービスを使っていない人にとっては、それほど便利ではないかもしれない。Watch OSでアプリが充実することを期待していたけど、特に印象に残るアプリが出ていないと感じる。
Apple Watch Sport 42mmスペースグレイアルミニウムケースとブラックスポーツバンド
- 出版社/メーカー: アップル
- メディア: エレクトロニクス
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スマートウォッチはPebbleからの乗り換え。Pebbleも悪くなかったけど、iPhoneをアンロックするとWatchの方もアンロックされる、などiPhoneとの連携はさすがにApple Watchの方がスムーズ。 でもPebble Time Steelはちょっと気になっている。
サードパーティ製のバンドもラインナップが増えてきている。でもアルミのスペースブラックだとマッチするデザインのバンドが少ない。ステンレスシルバーにすればよかったとちょっと後悔。
僕が買ったバンドはこちら。黒いレザーにステッチが入ったデザイン。スペースグレーのケースに違和感なくフィットしていて、とても気に入っている。
【日本正規代理店品】 SLG Design Apple Watch 42mm用バンド [ラグ付き]D6 IMBL ブラック SD6601AW
- 出版社/メーカー: SLG Design
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2位. Apple TV
旧バージョンからの買い替え。リモコンがBluetoothになったのがなにより便利。操作性も快適。
スマホと比べてアプリを家族で楽しみやすい。Wii Uよりも起動する機会が増えた。ただApple Watch同様、思ったほどアプリが増えないのが残念。これからに期待。
先日、Huluのアプリがようやく公開された。ブラウジングしやすくなったためか、Huluの視聴頻度があがったかも。Apple TVの影響だけではないけど、個人的にはHDDレコーダーを全く使わなくなってしまった。
3位. iPad mini 4
以前、初代iPad miniを購入したが活用できず、結局義母にあげてしまった。(かなり活用しているようで、これはこれで良かった。)
前回はWiFiモデルだったが、今回はセルラーモデルにした。iPhoneのSIMフリーモデルをIIJ mioの格安SIMで使っているが、SIMを追加発行して複数デバイス共用できるので、追加の通信費はゼロ。
読んでおきたい仕事関係の資料をPDF化して、iCloud Driveに保存しておく。Retinaディスプレイだからminiのサイズでも読みやすい。セルラーモデルにしたので、通勤中でもストックしておいた資料をいつでも読める。よく使うアプリはSlideshare、Medium、Kindle、Pocket。とにかく移動中の情報収集がとても快適になった。
MK9G2J/A iPad mini 4 64GB スペースグレイ Wi-Fiモデル (iOS)
- 出版社/メーカー: Apple Computer
- メディア: Personal Computers
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4. 薄い財布
本当に薄い。これまでは財布をカバンに入れていたが、ズボンのポケットに入れていても邪魔にならない。パスケース兼用になって持ち物が一つ減った。デザインも気に入っている。
5位. 大人の鉛筆
筆圧が高くて通常のシャープペンシルは芯がすぐ折れてしまう。鉛筆は削りカスが多くて机が汚れるのが嫌だ。そんな自分にぴったりの文具があった。
鉛筆と同じ太さの替え芯で、使用感は完全に鉛筆。コンパクトな専用の削り器で、芯だけ削ることができる。芯はHBがおすすめ。
おしまい。
プロダクトマネージャーに求められる知識・スキル・コンピテンシーとは
プロダクトマネージャーのスキル標準を作れないかと思い、まずは項目を整理してみた。これからPMを目指そうという方や、PMとしてスキルアップしたいと考えている方の参考になれば嬉しい。(なお、インターネットサービスのPMを想定している)
それぞれの知識やスキルをどう獲得するのかについては、別のエントリーで解説したいと思う。
プロダクト開発をディレクションするスタッフに求められる要件が、クックパッドさんのブログでまとめられている。上記に挙げた項目と共通する部分や、さらに細かくブレークダウンされている部分があり、とても参考になる。
この投稿は Product Manager Advent Calendar 2015 の 15日目の記事です。
プロダクトマネージャー制度を導入するにはどうすれば良いのか
KAIZEN platform Inc. 技術顧問 伊藤直也さんの、プロダクトマネージャーに関するツイートがとても示唆に富んでいるのでまとめさせていただく。
ソフトウェアエンジニアのひとがなにかと口うるさいの、組織的な怠慢のツケをはらう羽目になるのがだいたい自分たちだから、というのはあるだろうね。ごまかしがきかない仕事だし
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2015, 10月 21
良く見る典型例は、企画とか品質を保証する仕事までエンジニアに丸投げして、エンジニア側にはその期待値がなくてお互いの思惑がずれる、みたいなケースだな。この場合にエンジニアがしょぼいものを作るから、と指を指されてるけど、問題は製品企画開発の責務を組織の中で曖昧にしてるところにある
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2015, 10月 21
たまたまエンジニアの中にそこまで含めて上手な人がいればまともなものが出てくる、ということに依存してるだけで、本来は組織的な枠組みで保証すべきことなのに、それをせずに、うまくいかないとエンジニアのせい。エンジニア側もそこがわかってないから仕様がとか納期がとかで反論して平行線
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2015, 10月 21
なので改めて、できる人を、組織の中でプロダクトマネージャーという役割に据えて組織的な構造を作るというのは、ある程度以上の規模には良い施策だと思うのです。
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2015, 10月 21
このときできる人を置くというのが重要で、できない人を置くと逆効果なのが難しいところです
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2015, 10月 21
ちなみにできるPMは会社にとって最も貴重な人材かつ、その会社の製品の良し悪しを決定づけるので、自分的には最も報酬が高くてよいと思っています
— Naoya Ito (@naoya_ito) 2015, 10月 21
僕も伊藤さんのツイートに完全に同意で、一定規模の組織ではPM中心とした枠組みを作って製品開発すべきだと思う。ただこれまでPM的役割が存在しなかった企業でPM制度を導入するのはそう簡単ではない。ロールモデルやフレームワークがない状態での制度導入は難しい。
外部からPM経験のある人材を登用するのが近道だが、日本ではPM人材が少ないor可視化されていないため採用自体がそもそも難しい。(ちなみにプロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーはスキルセットが異なるので採用するときはご注意を。)
僕自身はプロダクトマネージャーの基本的な型を前職のサイボウズで学んだ。サイボウズでは製品を企画する際にコンセプトを整理するフォーマットが規定されている。担当製品のバージョンアップのたびにフォーマットに沿ってロジックを整理することで、PMに必要な基本的思考法が身についていったように思う。*1
その経験から言うと、まずはリーンキャンバスのような製品コンセプトを整理するフォーマットを導入するところからスタートするのが良いのではないかと思う。
ただ結局問題となるのは企画以降のExecutionの部分だったりする。ExecutionからがPMの仕事の本番で、PMにこの認識がないとプロジェクトは失敗する。PM制度を正しくワークさせるためには、外部からメンターとなる人を連れてくるか、PMが存在する社外のプロジェクトになんとか潜り込むなどして、PMの基本行動を目の当たりにする必要があるかもしれない。
11月に某オンライン講座でプロダクトマネジメントの授業を担当させていただく予定なのだが、PM制度導入のはじめの一歩になるような講義内容にしたいと考えている。
【10/26 追記】伊藤さんが本件についてブログを書かれています。
起業家としてのPM、職業としてのPM
Kaizen Platformさんとの共同セミナー「Webサービスの事業成長を牽引するプロダクトマネージャーになるには?」ですが、非常にたくさんの方にご参加いただきました。お忙しい中ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
私のプレゼンでは、組織の中で職務としてプロダクトマネジメントに従事する方向けに、私個人のPM経験を基にした「あるあるネタ」とその対処法を紹介しました。
私自身のPMとしてのテーマは「再現性」です。どんなカテゴリのプロダクトでも、あるいは誰がPMになっても、プロダクト開発を成功させるにはどうすれば良いのか。今回のプレゼンでもそうした観点でお話しさせていただきました。
なお、一部ネタとして他の役割のメンバーを揶揄するような表現をしている箇所がありますが、メンバーのアウトプットが期待と異なる場合は、十分に要件を言語化してディレクションできていないPMに責任がある、と考えるべきです。
Kaizen Platform 須藤さんは内から溢れ出るパワーに満ち満ちていて、スタートアップ創業者のカリスマ性とはこういうものか、と感じ入りました。
須藤さんのプレゼンでは手法の各論ではなく俯瞰した視点でPM論が語られており、視座が引き上げられる思いでした。4象限で整理された「ハマった罠」と、罠から抜け出るために必要なプロダクトマネジメントのスタイルは、今後私自身が壁にぶち当たった時の指針となりそうです。
起業家としてのPM業を兼務する須藤さんと、組織の中で職業としてPM業に従事する私という、全くことなる状況に置かれた二人のPM論が展開され、私自身が多くの気づきを得られたイベントとなりました。須藤さん、Kaizen Platformの皆さん、イベント準備に協力してくれた弊社メンバー、そして来場者の皆様、本当にありがとうございました。
今回のセミナーが日本のPMコミュニティを活性化する一つのきっかけになれば嬉しいです。有志でオフ会をやろう、という話も出ていますので、詳細が決まりましたらこのブログで告知させていただきます。
【追記】パネルディスカッションの内容を記事化していただきました。
忍術でもええで(アイデアを生む3つの要素)
西堀 栄三郎という方をご存知だろうか。東芝の技術本部長を務めた技術者であり、南極越冬隊の隊長を務めた登山家でもある。戦後の日本の工業発展に大きく貢献したと言われている方だ。僕が密かに心の師匠と呼ぶ人の一人だ。
西堀先生によるとアイデアを生むには「切迫感」「考えてみりゃ」「知識」という3つの要素が必要だという。
※西堀流新製品開発p218をもとに作成
西堀先生は南極越冬隊の隊長として、隊員に電気を起こすよう指示する。ただある事情で石油がない。
そこで先生は隊員にこう伝える。
「忍術でもええで」
とにかく何がなんでも電気を起こしてほしい。忍術でエイっと電気を起こしても構わない。
そう言われると隊員は「石油がないから電気を起こせません」とは言えない。
隊員は知恵を絞ったあげく、アザラシの油で電気を起こしたという。
・必ず電気を起こさねばならない(切迫感)
・よくよく考えてみれば、石油以外の燃料でも発電機は動く(考えてみりゃ)
・燃料は有機物であり、動物の油も有機物である(知識)
難問を解決するアイデアを生むには、一定以上の思考量が要求される。諦めずに思考を続けるには、必ず問題を解決するという強い意思、切迫感が必要だ。また、「よくよく考えてみれば」と前提を疑う水平思考的アプローチや、技術的知識・科学的知識も必要とされる。
問題解決に行き詰まった時は、この3つの要素のうちどれが自分に足りないのか、考えてみると良いかもしれない。
お知らせ
10月9日(金)にプロダクトマネジメントに関するイベントを開催します。