プロダクトマネージャーの道具箱

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小さなごちそう

プロダクトマネジメントや日々の徒然について

デザイン主導開発とは何なのか

デザイン・シンキング プロダクトマネージャーの仕事

とても興味深い記事があった。

▼ デザイナーが暴走する組織をつくってはいけないーAirbnbデザイン部門主任が語るスタートアップのあり方

翻訳元の記事はこちら。

かんたんに要約すると以下の通り。

  • デザイナー主導の組織文化では、デザイナー以外のスタッフの気づき(インサイト)がないがしろにされがち
  • プロジェクトリーダーはエンジニアやデザイナーなど特定の部門を代表するのではなく、ユーザーを代表するべき
  • ユーザーの都合と実装の都合がぶつかることでイノベーションが生まれる

この主張には全面的に賛成だが、そもそもDesign-led(デザイン主導)に対する誤解がある気がする。デザイン主導開発とは、見た目が良いプロダクトを作ることでも、デザイナーの意見を最優先することでもない。要は人間中心設計、ユーザー中心設計で開発することで、つまりユーザー観察を元に企画し、開発プロセスの初期段階でユーザーテストを実施する、という手法を指すのではないか。

「デザイン主導」と「デザイン」を冠した名前で呼ばれるのは、次の二つの理由によるものと理解してる。

  • オブザベーションやプロトタイピングを重視する設計手法がデザイナー由来だから
  • 従来の開発プロセスではほぼ最終工程で関与していたデザイナーが、プロセスの初期段階に参画するから

「デザイン思考」についても毎度思うのだが、「デザイン」という言葉を使うことで不要な誤解を招いているのではないか。 

デザイン主導開発の趣旨は、「ユーザーが知覚するシステム像」の定義と実現に集約される。その具体的な取り組み方法として、筆者が所属するソシオメディアが実践していることを紹介しよう。

まずはじめに、これから作ろうとしているサービスや製品のデザインコンセプトを明確にする必要がある。これが「ユーザーが知覚するシステム像」の基礎となる。設計や実装におけるすべての意思決定は、このコンセプトに沿っているかどうかを基準にして下される。コンセプトは、「なぜそのシステムが必要なのか」、「それはどのように役立つのか」ということを明らかにする。

DESIGN IT! : IT設計の新潮流 デザイン主導開発とは

「ユーザーが知覚するシステム像」という表現を借りて説明すると、プロダクト開発においては提供側とユーザー側で次の二つのギャップが発生しがちだ。

  1. 「開発者が提供したいシステム像」と「ユーザーが知覚するシステム像」とのギャップ
  2. 「開発者が想定したユーザー課題」と「ユーザーが実際に感じている課題」とのギャップ

このギャップの発生を防ぐ開発手法がデザイン主導開発である、と考えると自分にとっては理解しやすい。

この辺りはHCDやデザイン思考の専門家にぜひ平易な言葉で解説して欲しい。