あなたの会社のプロダクトマネージャーのインタビューを掲載しませんか?
あなたの会社のプロダクトマネージャーに直接インタビューして記事化。このブログに掲載いたします。
どんな記事内容に?
下記のような内容をお聞きして対話形式の記事にします。
- プロダクトマネージャーになるまでのキャリア
- どのような考え方でプロダクト開発に従事しているか
- 自社のプロダクトの強みや魅力
- プロダクト開発に関わる自社の制度や方法論
どんな会社向け?
プロダクト開発に関心の高い方に読まれているブログです。
・プロダクト開発に強い会社としてのブランディングを強化したい
・プロダクトマネージャーの採用を強化したい
・自社の製品をアピールしたい
そうお考えの企業さんはぜひご連絡ください。
インタビューの際に、進行中のプロジェクトやPM育成上の課題について、オフレコでディスカッションさせていただくことも可能です。
詳細については、me at mizukitanno.com宛にメール、またはFacebookページのメッセージでご連絡ください。
記事掲載についてのFAQ
・2000〜4000字程度のボリュームを想定しています。
・掲載前に原稿をご確認いただけます。
・製品サイトや採用サイトへのリンクを記事中に配置することも可能です。
【追記】現在想定上のお申し込みを頂いており、お待ち頂いている状況です。
プロダクトマネージャー不要論
「私がプロダクトマネージャーを絶対に雇わない理由」という刺激的なタイトルの記事をMediumで見つけた。HubSpotの元CPOで、Driftというマーケティング支援サービスのCEO、David Cancel氏の記事だ。コメント欄も盛り上がっている。
プロダクトマネジメントを専門とする自分としてはなかなか認めがたい主張ではある(笑
ざっくり要約するとこんな感じだ。
- スタートアップの世界は変化が早く、過去の経験が役に立たない
- 各社でPMの仕事の範囲が違う。ある会社ではプロジェクトマネージャーのことだったり、ある会社ではプロダクトマーケターのことだったりする。
- プロダクトで差別化するなら他社の経験はむしろ忘れてもらう必要がある
- プロダクトに情熱を持っていて学習能力の高い未経験者を雇うべし。
- プロダクトジャンキーで、好奇心が強く、プロダクト改善のアイデアを持っていて、顧客中心のマインドセットを持った人を採用した方がいい。
創業者がProduct-drivenな人で、実質的に創業者がプロダクトマネージャーを兼任しているようなスタートアップであれば、この主張は正しいかもしれない。またプロダクトへの情熱や顧客中心のマインドセットといった採用要件はその通りだろう。
ただ、組織規模や事業規模が一定以上大きくなって、創業者自らがプロダクト開発を指揮できないフェーズになると、やはり経験を持ったプロダクトマネージャーを採用する必要がでてくる。
うまくいったグロースハック施策を他社でそのまま展開できると考えるようなPMは確かに必要ない。しかし、顧客の真の課題を理解し、実現可能なソリューションを考案し、実装過程で明らかになる矛盾を解消する、といったPMのスキルはスタートアップであれ大企業であれ共通して必要なものだと考える。
などと思いつつ、経験や方法論に縛られず「狂ったアイデアの実践」ができるPMにならなければならないと自戒した次第。
デザイン思考によるイノベーションのわかりやすい例
徹底的なユーザー観察、素早いプロトタイピング、というデザイナー特有の問題解決手法を製品開発プロセスの川上に適用しよう、というのがデザイン思考だ。
デザイン思考を生んだIDEOのCEO、ティム・ブラウン氏は次のように語っている。
デザインは以前より、開発プロセスの川下に位置づけられていた。つまりデザイナーは、イノベーションの実作業である初期段階では何もすることがなく、固まったアイデアに化粧を施す。そのように考えられてきたのである。
(中略)
デザイナーの役割はこれまで、開発されたアイデアを消費者にとって魅力的にすることだった。しかし現在、デザイナーには、消費者のニーズやウォンツによりマッチしたアイデアを生み出すことが期待されている。
従来のデザイナーの役割は戦術的であり、デザインによって生み出される価値は限定的だった。しかし現在、デザイナーに求められているのは戦略的な役割であり、これにより画期的な新しい価値が生まれてこよう。
- Harvard Business Review 2008年12月号 「優位」の教訓より
Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2008年 12月号 [雑誌]
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- 発売日: 2008/11/10
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デザイン思考とは、プロセスの川下で本質的な問題解決に繋がらないプロダクトの「お化粧」をやらされてきたデザイナーたちの反逆であるとも言える。
デザイン思考によるイノベーションの具体例は、IDEO創業者たちによるデザイン思考の本でも紹介されているのだが、個人的には今ひとつピンとこなかったりする。
(余談だがHBR2016年4月号でZibaの濱口さんが、IDEOのデザイン思考でイノベーションが生まれることはまれで、デザイン思考ブームはマーケティングの産物である、と語っていて面白い)
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2016年 04 月号 [雑誌] (デザイン思考の進化)
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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デザイン思考によるイノベーションのわかりやすい例がないかと思っていたところ、こんな記事があったので引用して紹介する。
「例えばごく簡単な例として、風呂場のカビ取り洗剤のデザインを考えてみましょう。ボトルそのもののデザインももちろん重要ですが、実際の利用シーンをよく観察すると、中身の薬剤が無色透明では後で洗い流す時に散布した場所が分からなくなってしまうということに気づく。そうすれば、薬剤に色を付ける、泡状にするといった新しいアイデアが浮かんできます。このように、デザイン思考を製品開発に取り入れることで、使い心地の良さという新しい価値を提供できるわけです」
- 「デザイン思考」は企業やビジネスをどう変える? - 日経ビジネスオンラインSpecial
これがイノベーションなのかと言われると異論があるかもしれないが、確かに「無色の洗剤だと洗い流したかわからない」という問題は、実際の利用シーンを観察することで初めて発見できそうだ。おそらくユーザーがペインポイントを自覚しておらず、ヒアリングや定量的な市場調査では問題を発見するのは難しそうに思える。
実例かどうか定かでないが、デザイン思考の有効性をイメージするための具体例としてはとてもわかりやすい。
Product Managers Night vol.1にモデレーターとして参加しました
先日、リクルートジョブズさん主催のProduct Managers Night vol.1に、パネルディスカッションのモデレーターとして参加させていただきました。 recruitjobs.connpass.com
50名の参加枠に150名以上の申し込みがあり、プロダクトマネジメントに対する関心の高さをひしひしと感じました。
登壇者はVASILY柿本さん、NewsPicks甲斐さん、Retty藪さん、クックパッド田中さん、エウレカ榊原さん、リクルートジョブズ渡邊さんの6名。いずれも今をときめくネットサービス企業のプロダクトマネージャー、プロダクトオーナーの方ばかり。皆さんまだ20代なのにとても優秀なPMで、モデレーターとして安心感をもって進行できました。ありがとうございました。
公式のイベントレポート記事が公開される予定とのことなので、僕の方からはパネルディスカッションで出たトピックをざっとご紹介。
ユーザー理解
- 自分自身がターゲットユーザーでないプロダクトにおいて、どのようにユーザーを理解すべきか。自分と世代や性別が異なるユーザーのインサイトを掴むにはどうすればいいのか。
社内のステークホルダーとのコミュニケーション
- 営業部門とプロダクト部門の考え方の違い、メンタルモデルの違いをどうの埋めるのか。短期計画と長期計画をどうバランスしながらプロダクト開発を進めるべきか。
チームマネジメント
- 事業の成長にともなって拡大する組織、チームをどうマネジメントしていくべきか。
PMの役割の拡大
- 事業フェーズの変化にともなってPMに求められる知識や役割が拡大していく中で、どのようにキャッチアップしていくべきか。
仮説設定と効果検証
- 筋の良い仮説を立案し、施策の結果をタイムリーに可視化し効果検証するにはどうすべきか。
おおよそこんなトピックについて各社の課題感や解決方法を共有していただきました。 印象的だったのが、自らSQLを書いてデータ分析をする、という方が多かったこと。仮説検証サイクルを素早く回す上では、データ分析スキルは必須なのかもしれません。
パネルディスカッションのお題の案を事前にもらっていたのですが、イベント中で取り上げられなかったので、僕個人の回答を記載しておきます。
PMとして日常的にどんな情報を集めているか
- プロダクトマネジメントの方法論に関する情報、グロースハックに関する情報を収集している。具体的にはMediumでProduct Managementなどのタグをフォローして新着記事をチェックしている。このブログでも過去にMediumの記事をピックアップして紹介している。特定のテーマについて知見を得たいときはQuoraで検索する。例えばPRD(Product Requirement Document)について一般的なフォーマットを知りたい、という時はQuoraで検索するとQ&Aが多数ヒットする。
PMやリーダーとして仕事をする際、一番説得しづらい人やチームは誰/どこか、それはなぜか、またどうやって上手く進めているか
- 受託開発の経験が長いと「決められた仕様通りに作りたい」と考えがち。事業会社では「ユーザーにとって価値あるものを作りたい」と考える人の方が活躍しやすい。どちらが正しいということでなく、状況に応じて適したメンタルモデルは変わる。時間が解決することもあるし、ユーザーに生の声に触れる機会を増やすことで変わることもある。
- この例以外にもメンタルモデルの違いが生むコミュニケーションコストが存在する。これを意識的に解消するのもPMの役割ではある。
- ものづくり側の人は、ユーザーに喜ばれる製品を作らないとビジネスとして成立しない、と考えている。逆にビジネス側の人は、ビジネスモデルが優れていないと良い製品を作っても無駄だと考える。どちらも正しい。同じゴールを目指しているが出発点が違う。両者の間を取りもつのがPMの役目。
今注目しているアプリやサービスとその理由 ex)流行りそう、機能が面白い、ビジネスモデルが面白いなど
- これは逆に教えてほしい。年齢とともにユーザーとしての感度や新しいものを求める欲求が低下するのが悩み。。。
実際PMっていう役割ある?社内での共通理解ってできてるの?それぞれの会社でどんなことやってるの?
- 自社ではここ1年ほどでPMという役割が定着した感がある。PMはプロダクトで課題解決する人。ユーザー課題や事業課題を発見すること、課題の原因を特定すること、ソリューションを考案すること、実現に向けてチームをリードすること、が主な役割。
PMの理想的なあり方ってなんなの?
- 良い仕事ができたとチームメンバーに感じてもらえるようなPMが個人的には理想。メンバーの共感を得ながらチームの自発性を引き出し、顧客に愛されるプロダクトを作ること。PMは責任はあるがチームに対して権限はない職務。make senseすること。思いつきでチームを振り回さないこと。
チームメンバーとの役割分掌などをどうしていくのか or どうしていく必要があるのか
- メンバーのスキルレベル次第で変わる。ベテランメンバーであればコンセプトや課題感を伝えればプロダクト開発は進むが、経験の浅いメンバーであればソリューションのゴールイメージをかなり具体化しつつ、アウトプットをレビューする必要がある。
今までで一番大きな失敗談(糧になった)と、それをどう乗り越えてどう成長できたのか
- 新規プロダクト開発のプロジェクトが中止になった。ステークホルダーの納得感を十分得ていなかった。特に営業サイドの責任者に売れるという実感を持ってもらうことができなかった。チームマネジメントにも失敗して、開発期間がずるずると伸びていた。気持ちの面で完全に立ち直るまでに1年ぐらいかかったが、その後のプロジェクトでその時の経験を活かすことができた。
- また、開発チームとの関係が険悪になったことがある。開発スケジュールが決まってから仕様を追加しようとしたり、背景や意図を伝えずに要件だけを伝えたり、開発スケジュールを無理に短縮させようとしたり、要は自分の思うままにコントロールしようとした。成果はチームで生むものだという意識で仕事をするようになった。
以上です。Vol.2も開催予定とのことなので楽しみです。pmjpでもオフ会などのイベントを企画していますのでぜひご参加ください。
noteマガジン「職業としてのプロダクトマネージャー」を始めました。
noteのマガジンを作りました。
組織内でプロダクトマネージャーとして活躍するために知っておくべきことを、私なりに整理してお伝えしたいと思っています。
私の個人的なテーマは再現性です。
どんな環境でもどんな分野のプロダクトでも、一定水準のプロダクトを誰でも企画できるようになる。そのための方法論を作りたいと思っています。もちろん、手順やフレームワークを知っていれば誰でも良いプロダクトを作れる、というわけではなく、最後にものを言うのは情熱やセンスだったりするでしょう。とはいえ知っていれば避けられる無用な失敗もありますし、ゴールにより短時間で到達できます。
このマガジンでどこまでその狙いを実現できるかわかりませんが、一度自分の知見を棚卸してみようと思います。
ミケランジェロと運慶にプロダクトマネージャーの理想像を見る
I saw the angel in the marble and carved until I set him free.
(私は大理石の中に天使を見た。そして天使を自由にするために彫ったのだ。)
これはミケランジェロが遺したと言われる名言だ。
夏目漱石の「夢十夜」にもこんな話がある。仁王像を掘る運慶の姿に感心した「自分」に、隣の男がこう語る。
「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋うまっているのを、鑿のみと槌つちの力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」
新しいプロダクトの立ち上げをしていると、暗闇の中でゴールを目指して走っているような感覚に襲われる。目的や戦略に対して、とるべき戦術の選択肢は無数にある。全てが未確定な中でプロダクトのあるべき姿、様々な要素のベストな組み合わせを見極めなければならない。
無限の組み合わせの中からあるべきプロダクトの姿を見つけ出す。結果的には誰の目から見ても自明で、それ以外の選択肢などありえないように見える。そんなプロダクトづくりができるプロダクトマネージャーになりたいものだ。
Less is more / アルコールとカフェインと糖質のない生活
アルコールとカフェインを断って3ヶ月が過ぎた。そしてランニングを習慣にするようになって2ヶ月、本格的な糖質制限を始めて2週間がたった。
現在のところ体調はとても良い。1年前は84kgあった体重は現在76kg。緩やかに減量し続けている。こんな生活を始めた理由を説明することが多くなったので、経緯をまとめてみる。
飲酒がパフォーマンスに影響する
去年の夏頃から飲み会の翌日は体調がイマイチすぐれず、時によってはその週はずっとパフォーマンスが低い、なんてこともあった。
もともとお酒は好きな方だった。止めるまでは平日に濃い目のハイボールを一杯、休日になるとワインのボトルを1本空けるぐらいは飲んでいた。ただ、どうやら体質が変化したようだ。であれば一度徹底的にアルコールを断ってみるか、ということで禁酒してみることにした。
そうすると1週間ほどで心なしか普段の体調が良くなった気がする。これはいいということで継続することにした。もしかしたら生活習慣を変えて身体のメンテをしなければいけない時期かもしれないと思い、禁酒以外にも色々試してみることにした。つまり自分自身のパフォーマンスを最大化するために、自分の体を積極的にハックしてみようと思ったのだ。
セロトニンで睡眠の質を改善する
実はここ数年、寝つきの悪さと眠りの浅さに軽く悩まされていた。月に1度ぐらいだが、朝まで寝つけずに悶々とする、みたないこともあった。
そこで睡眠の質を改善を試みることにした。カフェインの摂取が快眠を阻害するようなので、まずカフェインも断つことにした。これはコーヒー好きの僕にとっては、禁酒よりつらかった。
人間の体は疲労を感じると睡眠を促すアデノシンという物質を放出する。カフェインはアデノシン受容体をブロックすることで眠気を妨げる。
また、調べてみるとスムーズな入眠にはメラトニンというホルモンの分泌が必要らしい。メラトニンの分泌を促すには、セロトニンが必要でセロトニンの分泌にはトリプトファンが必要らしい。ということでサプリメントでトリプトファンを摂取することにした。
帰宅する前に会社でトリプトファンを飲むと、確かに家に着く頃にはあくびが出てきて寝つきが良くなった。ただどうも翌日の朝にだるさを感じる。サプリを購入したサイトで他のユーザーのレビューを見てみると、同じような症状の人が何人か。どうも体質に合わないらしい。サプリでセロトニンの分泌を促す、というアプローチは失敗だ。
そして色々とセロトニンについて調べているうちに出会ったのがこの本。
仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング 角川SSC新書 (角川SSC新書)
- 作者: 久保田競,田中宏暁
- 出版社/メーカー: 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/09/10
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有酸素運動をすることでセロトニンが分泌される、とのこと。セロトニンは幸福ホルモンとも呼ばれており満足感や精神の安定性にも大きな影響があるという。なるほどということで、この本で推奨されているスロージョギングを始めてみた。
実はこれまで何度かランニングを習慣にしようとしたことがあったが、その度に熱中症になるなど体調を崩して挫折していた。ダイエットを目的に急激にハイペースで走っていたため、体がついてこなかったのだ。
今回は無理のないスローペースで一定時間走って、有酸素運動をすることでセロトニンの生成を促すことが目的。余裕をもって会話できるぐらいのペースで走る。これが思いの外気持ちがいい。酒を飲めないストレス、酒で晴らしていたストレスが、走ることによって解消される。
この2ヶ月で走ることがすっかり習慣化して、平日時間があるときは4km、休日は10kmぐらいは走るようになった。Runkeeperのモニタ表示をApple Watchで確認できる。これまで通知と予定の確認ぐらいでしか使っていなかったApple Watchが、ランニングのサポートツールとして活躍し始めた。
ここまでで睡眠の質は随分改善された。布団に入るとすぐに眠たくなって朝までぐっすり寝てしまう。ここから芋づる式に運動と健康に関する本を読みあさるようになる。
人は走るようにデザインされている
スロージョグの本の中で紹介されていたBORN TO RUNを読み、さらにランニングへのモチベーションが上がる。人間は走るようにデザインされている、というのがこの本の主張だ。狩猟採取時代の人類は走って獲物を追いかけていた。持久力を武器に足の速い動物をスタミナ切れにさせて倒れたところを捕らえる、という狩りのスタイルだった。
BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族”
- 作者: クリストファー・マクドゥーガル,近藤隆文
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BORN TO RUNに影響されて五本指シューズのVibram Fivefingersも買ってみた。踵にクッションがない靴のほうが、人間本来の走り方に近くなるという。スロージョギングの本で推奨されていたフォアフット・ランと相性が良くとても気に入っている。
「GO WILD」も刺激的な内容だった。狩猟採取時代の人類にとって、獲物を追いかけて走りまわった後が最も学習能力が必要なタイミングになる。狩りがうまくいった理由、あるいはうまくいかなかった理由を考え、次の狩りに活かさなければならないからだ。そのため走った後は脳を活性化や脳細胞の成長を促すセロトニンや脳由来神経栄養因子(BDNF)が分泌されるようになった。運動後に学習効率が高くなるように進化した、ということらしい。
GO WILD 野生の体を取り戻せ! ―科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス
- 作者: ジョンJ.レイティ,リチャード・マニング,野中香方子
- 出版社/メーカー: NHK出版
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現代人は糖質を摂り過ぎている
糖質制限の必要性も狩猟採取時代の人類に由来する。おおよそこんな理屈だ。
- 狩猟採取時代は肉や木の実が主な食料で、炭水化物の摂取量が少なかった。
- 人間のハードウェアは狩猟採取時代から進化していない
- 人類の体は大量の炭水化物を消費するようにデザインされていない。
- 現代のように大量に穀物(糖質)を摂取するようになったのは人類史からみるとごく最近のできごと
- 糖質の過剰摂取が糖尿病をはじめとして様々な成人病の原因になっている。
- 糖質を分解してできるブドウ糖が脳のエネルギー源と言われていたが、脂質から生成されるケトン体もエネルギー源にできる。
- 故に米や麦などの炭水化物(糖質)を摂取を控えて、質の良い脂質を十分に摂取すれば脳は活動できる
もともと夕食には炭水化物をとらないライトな糖質制限をしていたが、こうした知識を得たことでもう少し踏み込んで糖質制限することにした。朝昼晩の3食を通じて、米・麦・芋類をとらない(ただ、コーンや根菜類などは無理に排除しない)。
ケトン体の生成を促すココナッツオイルやMCTオイル(中鎖脂肪酸)を豆乳に混ぜて毎朝飲むようにした。
MCTオイルについては下記の本で知った。グルテンやトランス脂肪酸の問題についても詳しく書かれている。
スーパー糖質制限をするようになって2週間が経つが体調は良好だ。食事のあとに眠気が襲ってこないのも良い。糖質を摂取すると血糖値が上がる。血糖値を下げるためにインスリンが放出され過剰に血糖値が下がる。この作用で食後に眠気を感じるのだ。
ケトン体の検査シートで調べてみると、一応ケトン体は出ているようだ。
糖質制限についてはゆうきゆう先生のマンガが面白くてわかりやすい。
人は腸内細菌と共生している
次に興味を持ったのが腸内細菌だ。人間を含め動物の腸内には100兆を超える細菌が共生しており、食物の消化を助けている。腸内細菌が人間の体の働きに影響を及ぼす物質を放出している。人間は腸内細菌の助けなしに生きることは困難である、ということだ。
腸内細菌の活性化のために、夜にヨーグルトと少量の冷えた白米を食べるようにした。白米は炭水化物だが、冷えた白米は「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」に変質して食物繊維と同じ働きをする。
腸内細菌のなかにはセロトニンなどのホルモンを生成するものもあり、腸内細菌の活性化状況が人の精神状態を左右する。また、人間の細胞の数は60兆個であり、実は腸内細菌のほうが数が多い。そう聞くと生命体としてどちらが主客かわからなくなる。
Less is more
アルコール、カフェイン、糖質を制限すると、外で飲食するのが本当に難しくなる。水かノンカフェインかつカロリーゼロ表記のある飲料にしなければならない。普通の飲食店には糖質抜きのランチメニューには存在しない(糖質制限メニューを作ってくれている妻に感謝)。見渡せば我々の周りにはアルコールとカフェインと糖質で溢れかえっている。社会システムが糖質を摂取するように作られているようにも見えて来る。
何かを摂取することでなく制限すること、身一つで走ることがベーシックな健康や充足感に繋がるという事実は、個人的には大きな価値観の転換だ。こうした生活が万人にとって正しいわけではなく、たまたま僕の状況にマッチしていたのだろうと思っているが、しばらく続けてみるつもりだ。