小さなごちそう

プロダクトマネジメントや日々の徒然について

プロダクトマネージャーに訊く #1:ランサーズ木下さん

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― まず簡単に自己紹介をお願いします。

ランサーズ株式会社でプロデューサーをしている木下です。

前職はNTTデータでエンジニアをしていました。2012年にエンジニアとしてランサーズに入社しました。入社して1年ほどしてエンジニアから企画側に変わってプロダクトマネジメントを担当するようになりました。

― ランサーズさんのプロダクトについて教えて下さい。

社名と同じランサーズというサービスを提供しています。ランサーズは「仕事を依頼したい人」と「仕事をしたい人」をマッチングするクラウドソーシングサービスです。
ランサーズを使えば、スキルを持っている方が住んでいる場所に関係なく仕事ができます。仕事の7割が東京からの依頼なんですが、受注の7割が東京以外と、ランサーズを通じて都心の仕事を地域に再分配できています。

色々な事情で普通に会社勤めをして働けない方が沢山いらっしゃいます。親の介護のために地方にいるとか、子供が小さくて外に働きに行けないとか、そういう事情がある方でもリモートで仕事を得られるのがランサーズの良い所です。

ランサーズを通じてスキルアップした、という人もたくさんいます。ある主婦の方は最初は簡単なライティングの仕事しかできなかったのですが、ランサーズを使って仕事をするうちにライティングスキルが上がって単価もあがり、クライアントから指名されるようになったそうです。ランサーズで仕事を受けたことをきっかけにフリーランスとして独立開業した、という人もいます。ランサーズを使うことで可能性が広がっているのがとても嬉しいですね。

仕事の依頼を掲載するとすぐに提案が集まります。個人的にランサーズを使って仕事を依頼することもあるんですが、本当にすごいサービスだなと思います。

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毎年開催されるランサーオブザイヤー。パパランサー賞、地域ランサー賞など、様々なテーマの賞で活躍するランサーを表彰している。

― 最近はどんな機能追加を?

先日、ランサーズ上の仕事のやりとりを効率化するために、メッセージ機能をリニューアルしました。ランサーズが使いやすければ、よりランサーズを使おうと思ってもらえて取引量も増えます。

メッセージ機能はスタンダードなサービスを色々と参考にしました。仕事を進めやすくなりましたと言ってくださるユーザーさんが多くてすごく嬉しいですね。

― どんな体制でプロダクト開発を進めているのでしょうか?

複数チームに分かれてランサーズを開発しています。1チームにつきエンジニアとディレクターが数名いて、デザイナーとインフラ担当は兼任で各チームの仕事をしています。チームごとにディレクターがプロダクトマネジメントを行っています。

KPIや改善テーマごとにミッションを分けてチーム化しています。

僕は各ディレクターの企画をレビューしつつ、自分もディレクターとしてチームを一つ担当しています。

― ディレクターの仕事の範囲を教えて下さい。

分析して、仮説設定して、検証できる方法を考え、それを企画に落としてUI設計するところまでがディレクターの仕事です。

ディレクターがワイヤーフレームを書いて、デザイナーがビジュアルデザインをします。ただUI設計フェーズからデザイナーに入ってもらうことが多いですね。

ワイヤーフレーム作成はSketchを使っています。予めパーツが用意されているのが便利ですね。大きなアップデートの場合は、Prottでプロトタイプを作って確認します。ProttとSketchを同期させて使っています。

データの分析は基本的にディレクターの仕事です。僕はもともとエンジニアだったんでSQLは書けますが、書けない人も覚えるようにしてもらっています。

エンジニアに頼めばデータを出してもらうことは可能です。ただ、仮説を立てる人とデータを出力する人が別々だとすごく効率が悪い。ディレクターがSQLをかければ、仮説立案とデータ出力のプロセスが一緒になります。プロダクト開発の成功には、仮説検証を何回できるかが重要です。ディレクターが自分でSQLを書けるか書けないかで、仮説検証のスピードと精度が全然変わってきます。

― プロダクトの企画や開発はどのようなプロセスで進めていますか?

クオーターや半期の節目に、社長と一緒にプロダクト開発の大きな方針を決めます。方針にもとづいて各チームで施策やマイルストーンを作ってもらってレビューします。

細かい施策はレビューなしで進めてもらいます。クリティカルなもの以外はどんどんやってみようというスタイルです。

開発ラインが2つあって、大きな改修とグロースハック的な改善が同時に進んでいます。チームでも個人でも大きい改修だけやっていればいいわけではなくて、小さいのもたまにやりましょうというルールにしています。エンジニアはリリースがないとモチベーションを維持しにくいので、バランスがとれていいのかなと思っています。

僕個人としても大きいのよりも細かい改善を出しまくるのが好きですね。細かな施策の積み上げで数字があがっていくほうが楽しい。

大きな施策の場合は社長にもProttでプロトタイプを見てもらいます。

ただ社長はプロダクト以外にも業務があって忙しいので、すぐレビューしてもらいたくても予定がとれなかったり、二日後とかになってしまいます。なので社長の予定を毎日おさえてレビューの時間を確保したこともあります。

社長と意見がぶつかることもありますが、そういう時は数字やユーザーの意見をベースに客観的に議論するようにしています。最終的には判断するのはユーザーだと思っています。

そもそもぶつからないようにサービスに対する感覚を日頃からあわせるようにしていますね。こういうサービスが出た、とか、このサービスは見ておくべき、など彼が気になっているサービスは自分も見ておきます。良いと思ったものも悪いと思ったものも、両方見ておくことが目線合わせとしては大事です。

― ユーザーの意見を重視しているんですね。ユーザーヒアリングはどのように行っていますか?

弊社にはプラットフォーム事業とLancers for Businessという法人向け事業の2つの事業があるのですが、法人向け事業では社員がランサーズを使って仕事をしています。だから社内にランサーズのヘビーユーザーがいるんです。専用のチャットルームがあって、要望をもらったり企画について意見をもらったり、逆にこちらから改善した点をアナウンスしたりする場があります。社内でサービスのユーザーと常に対面していて、一緒にサービスを改善できるのはかなり強みです。

もちろん社外のユーザーさんにも聞きます。お会いしたことのある方やFacebookなどでつながっている方にリモートで意見をもらいます。ワイヤーフレームのキャプチャを送って見てもらうこともありますね。そうすると「私はそういう使い方はしないので、たぶんその機能はリリースされても使いません」なんて言われて、自分の思い込みに気づくこともあります。

数ヶ月かけて大きな改修をしたのに仮説がはずれました、となるとすごくへこみますよね。細かく分けてリリースするとか、そもそも開発する前に聞くとか、仮説検証を細かくやるようにしています。

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― ちなみに木下さんはもう全くコードを書いていないのですか?エンジニアとしての心残りはありませんか?

プロデューサーになってしばらくは、自分の企画を自分で実装してリリースしていた時期もありましたが、今は企画専任です。コードを書くことには今でもちょっと心残りはありますが、全部自分でやろうとしてどれも中途半端になるよりは、一つの仕事で尖っていくほうがいいのかなと思っています。

― プロダクトマネージャーはコードを書けるべきかという議論がありますが、エンジニア出身のプロダクトマネージャーとしてどう思いますか?

書けるにこしたことはないと思いますが、書けなくてもプロダクトマネジメントはできると思います。エンジニアと調整しながら進めれば問題ないのでは。社内のディレクターでエンジニアバックグラウンドの人は自分以外にいませんが、特に問題なさそうです。

逆にエンジニアリングがわからない方がいいのかもしれません。わからないからこそ気兼ねなく企画できる。僕はたまに悪い意味でストッパーになってしまう時があります。
これは画面側だけでできるなとか、アプリケーション側までいじらないとダメだなとか、DBまで変える必要があるなとか、実装方法がわかることでかえって企画の思い切りを悪くすることもあるかもしれません。

― 良いプロダクトマネージャーになるのに必要なものはなんでしょうか?

引き出しの多さはプロダクトマネージャーとしての強みになります。

僕は色々なサービスをめちゃくちゃ使ってます。新しいサービスは必ず見ます。昔からネットサービスが好きだったのでこの業界にいるんですが、かなり意識的に見ています。

Product Huntのような新サービスを投稿するサイトの国内版を個人的に運営していて、そこが情報源になっています。

色々なサービスをいじりまくっていると共通項が見えてきます。みんなが使い慣れているUI、使いやすいから残っているUIをエッセンスとして抽出するようにしています。

Webのサービスだけじゃなくて、スーパーとか映画館などのリアルサービスからもヒントを得られます。

スーパーの店内の導線設計の改善点を考えたり、映画のチケット販売機のUIが使いづらい原因を考えたり、世の中のあらゆるサービスを普通のユーザーではない目線で使うのが大事です。

ディズニーランドのUXっていいよな、何がいいんだろう、ネットサービスにはどう応用できるんだろう、という具合に最終的に抽象化・具象化してWebのプロダクトにつなげて考えていきます。

― プロダクト・オタクになる必要があると。

それだけでなく調整能力、コミュニケーション能力も重要です。プロダクトマネージャーは関わる人が多い仕事です。エンジニア、デザイナーといった作り手だけでなく、上司、社長、サポート、ビジネス側の部署など、色々な立場や役割の人たちとまんべんなくコミュニケーションできる必要があります。

接し方にも配慮するようにしています。例えば、エンジニアにプロダクトの改善要望を伝えるときには、相手の生産性を下げないように、五月雨式に思いついたら話すのではなく、一通り要点をまとめてから伝えます。言葉で伝わりにくい時は図で示せるように紙とペンを持って行って話す、など相手が理解しやすいように工夫しています。

個人的には調整やコミュニケーションは得意な方です。僕は5人兄弟なんですが、姉と兄と弟と妹がいてその真ん中という環境だったので、自然とバランサーになったのかもしれません。

― プロダクトマネージャーの仕事のどういうところが面白いと思いますか?

僕はものづくりがすごく好きです。これまで世の中になかったものをチームで力を合わせて作り出すのがすごく楽しい。そして作ったものを数万人や数十万人のユーザーさんが使ってくれる。普通に生きていると自分がやったことって100人にも伝えられないですよね。それがインターネットを使えばすごい数の人に作ったものを届けられます。それがめちゃくちゃ面白いですね。

分析も好きです。最初に仮設をたてて、一つ一つ仮設検証のためにデータをとりにいく。仮説が当たっていた時はとても気持ちがいい。

「表に立ってくれているんで、やりやすいです」とメンバーから言ってもらうことがあります。メンバーの仕事のしやすさをいつも意識しているので、そういったメンバーからの信頼を感じられる言葉をもらった時はとても嬉しいですね。

ランサーズには法人アカウントサービスという法人がランサーズで仕事を依頼しやすくなるサービスがあります。これは既存のプロダクトにアドオンで追加した別サービスで、ランサーズの中ではかなり規模の大きな開発プロジェクトでした。このプロジェクトはかなり大変だったのですが、エンジニアのモチベーションがすごく高くて、とても良い雰囲気で進められました。こういうプロジェクトはうまくディレクションできたなと感じます。

― プロダクトマネージャーとしてスキルを高めていくうえで、意識して行っていることはありますか?

僕は再現性の高いプロダクトマネージャーになりたいと常々思っています。

ランサーズでは4番目の社員なので、ほとんどの社員は僕より後に入社した人ばかりです。長く関わっているから、ランサーズという会社だからうまくできているという側面も多少はあると思っています。全然別の環境に突然入った時とか、全く新しいプロダクトを立ち上げる時でも能力を発揮できる再現性の高いプロダクトマネージャーになりたいです。

そのために必要なのが抽象化だと思っています。色々なサービスを見てパターンを抽出するのも抽象化ですし、うまく行った施策とそうではない施策の共通点を抽出するのも抽象化です。経験を昇華させてストックしていくことが重要だと思っています。仕事をしながら気づいたことをEvernoteにメモするようにしています。

プロダクトマネジメントを学ぶ人におすすめの本はありますか?

「Inspired」などプロダクトマネジメントの本は参考になります。またビービットさんの「ユーザ中心ウェブサイト戦略」は参考になりますね。 

ユーザ中心ウェブビジネス戦略

ユーザ中心ウェブビジネス戦略

 

 インターンや新しく入ったディレクターにはグロービスの「27歳からのMBA」という本を読むことを勧めています。 

27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10

27歳からのMBA グロービス流ビジネス基礎力10

 

プロダクトマネージャーには基礎的なビジネススキルが必要です。ロジカルシンキングや分析手法、仮説思考などの問題解決スキルに加えて、図解の仕方やデータ分析結果に応じたグラフの選び方、など基本的なプレゼンテーションのスキルも大事です。この本にはそうしたビジネス基礎力が解説されています。

KGIはアンコントローラブルだからコントロール可能な指標に分解して施策を紐付けようとか、仮説を立てて一番インパクトが大きそうなところから着手しようとか、ベースとなる考え方を揃えておくとコミュニケーションしやすくなります。

― 最後に記事の読者に伝えたいことがありましたらお願いします。

ランサーズではプロダクトマネージャーの採用に力を入れています。

ランサーズは世の中にとても良いインパクトを与えているサービスで、プロダクトマネージャーとしてやりがいがあります。

クライアントとフリーランサーというダブルターゲットのユーザーがいて、依頼、提案、選定、とワークフローのステップも多い大規模なシステムです。ランサーズに掲載される仕事の種類も、翻訳からシステム開発まで実に様々です。一つのサービスに色々な要素がつまっていて、プロダクトマネージャーとして腕が磨ける場です。
もともと社長の秋好がプロダクトドリブンな考え方なので、プロダクト開発にすごく理解があってやりやすい環境だと思います。

また、ランサーズ以外の新しいプロダクトも将来的にはどんどんつくっていく予定です。めちゃくちゃインターネットが好きという人、インターネットで世の中をよくできると信じている人が活躍できる場所だと思います。

― ありがとうございました。

スタートアップを舞台にしたドラマ「シリコンバレー」の配信がHuluでスタート

シリコンバレーのスタートアップ企業「パイドパイパー」を舞台にしたドラマ、「シリコンバレー」の配信がHuluでスタート。

スタートアップを舞台にした人間模様をコメディタッチで描いたドラマで、広告業界を舞台にしたドラマのマッドメンのスタートアップ版といったところ(マッドメンはシリアスだけど)。シリコンバレーってこんな感じなのかもねーと雰囲気を楽しめる。

アメリカではシーズン2まで放送済みで、まもなくシーズン3が開始予定らしい。

一話目のタイトルは「Minimum Viable Product」。作った曲が他人の曲と被っていないか確認できる、というほとんどの人にはViableでなさそうなプロダクトで起業しようとしているリチャード。プロダクトはイマイチだがそのアルゴリズムの革新性に大企業やVCの注目が集まり…。

Googleを始め実在の企業や起業家の名前がバンバン出てきたり、ビジネスサイドのメンバーが不当な扱いを受けたり、「世の中をより良くする」なんていう日本のベンチャー界隈でよく聞く様なフレーズを揶揄してたり、とベンチャーやプロダクト開発に関わる人なら思わずニヤッとしてしまうネタがたくさん。

ドラマのプロモーションサイトがいかにもスタートアップっぽいペライチサイトで面白い。

アルコールとカフェインと糖質がない生活、その後。

2月にこんなブログを書いた。

現在でも糖質とカフェインとアルコールをカットした食生活を送っている。体調はとてもよいし、酒やコーヒーが飲みたいと思うことはもはや全くもって無い。

実は先日宴席でほんの一口だけお酒を飲んでみたんだが、すぐに頭が痛くなってしまった。どうやらアルコールを受け付けない体質になってしまったようだ。

コーヒーの代わりに愛飲しているのが、H&F BELXのルイボスティー。カフェインレスだし、ミネラル豊富。抗酸化作用もあり体に良い。 

専用のガラスタンブラーがおしゃれ。渋みがないので、茶葉をいれたままにしてもOKでむしろ味わいが深くなる。茶葉は20袋入りで800円程度でちょっと割高に感じるかもしれないが1袋で1L飲めるので、スタバのドリップと比べたら圧倒的に経済的。

茶葉はいろいろな種類がある。職場の近くのヒカリエで売っているのでつい寄って買ってしまう。最近のお気に入りはマルチフルーツとフォーカス。

H&F BELX ガラスタンブラー(大)ライトグレー550ml

H&F BELX ガラスタンブラー(大)ライトグレー550ml

 
ルイボスティー マルチフルーツ 2.5gx20包
 

コーヒーは飲まないと書いたが、ドルチェグストのカフェインレスコーヒーは重宝している。そのまま飲むとなんとも味気ないのだけど、ココナッツオイルを入れて飲むととても美味しい。ココナッツオイルはブドウ糖の代わりに脳のエネルギーとなるケトン体の生成を促進する。コーヒーのためというよりココナッツオイル摂取のために飲んでいる感じだ。

ブラウンシュガーファースト 有機エキストラバージンココナッツオイル

ブラウンシュガーファースト 有機エキストラバージンココナッツオイル

 

最近はあまり飲まないがノンアルコール・ビールは運動後や湯上がりに飲むと美味しい。要は炭酸水の爽快感を求めているのかもしれない。 低糖質でアルコールゼロのノンアルビールは各社から発売されているが、味はだいぶ差がある。おすすめなのが、ヴェリタスブロイとオールフリーのスパークリングホップだ。 

ノンアルコールビール ヴェリタスブロイ 缶 330ml×24本

ノンアルコールビール ヴェリタスブロイ 缶 330ml×24本

 

糖質制限では小麦粉はNGなので、ラーメンもお好み焼きもパンも食べられないのだが、代替物がいくつかある。

小麦粉の製粉過程で小麦から取り出されるブラン(小麦ふすま)でパンが作れる。

ローソンのブランパンは糖質がカットされているのでサンドイッチなどを食べたい時にはおすすめだ。若干ぱっさりしているので、生ハムなど脂質が多い具材が合うかもしれない。

大豆粉を小麦粉の代わりに使った料理も美味しい。ただ大豆に含まれるイソフラボンの過剰摂取には注意が必要だ。(イソフラボンの摂取量の上限は一日75mgと言われている。これはおおよそ納豆2パック、または豆腐1丁程度だ。)

いろいろと制限しながらでも工夫次第で食生活を豊かにすることは可能かもしれない。

そういえば先日、3月に受けた健康診断の結果が届いた。

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1年半ほど前の検診結果と比較すると、体重は-8.3kg、腹囲は-7.5cmとかなりの改善がみられた。Cb判定(改善を要する)がA判定に。その他の数値もすべて改善。現在は体重がもう少し減って74kg台に。減量そのものが目的ではないのだが、数値で結果が現れると嬉しい。

そんなわけで当分この制限生活を続けるつもりだ。とくに我慢している感覚はないので、制限という感じでもないのだが。

プロダクトマネージャー オフ会#3 フォトレポート

昨日はpmjp第3回目のオフ会@サイボウズでした。

これまでは交流メインの会でしたが、今回は初めてプレゼンx2、LTx4というコンテンツありの会となりました。プレゼン資料は別途公開されると思いますので、写真で会場の雰囲気をご紹介。

入り口。新オフィスでも存在感のあるボウズマン。

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社内のカフェが会場です。オシャレ。

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最初のプレゼンはサイボウズの山田さんと齋藤さん。サイボウズの事業成長の歴史とあわせてPM制度が導入された背景のお話。PMとしていかに共感を得るか、という課題感の共有も。

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二番手はfreee坂本さん。プロダクトラインナップが増えるなかで、限定された人数のPMでどうスケールさせるか。PMの仕事からプロジェクトマネジメントを外し、Whyを明らかにすることにフォーカス。

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LTトップはSmarby矢本さん。バックグラウンドがエンジニアでないPMが何を強みにし、不足する知識をどう補ってきたか。PMに最も必要なのは偏執。

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GMOペパボ高橋さん。自社のプロダクト開発のケーススタディ。カスタマージャーニーマップ、プラグマティックペルソナ、KPIツリー。実際にやってみて初めてわかることがある。

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オプト平岩さんの相談LT(新ジャンル)。大きな組織のなかでPM的な考え方を広め、PMを育成していくにはどうすればいいのか。

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Increments東峰さん。及川さんに託されたPM心得3条。「引く、聞く、割る」ちゃんと伝わりました。

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熱心にプレゼンを聞く参加者の皆さん。

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プレゼンの後の交流会。盛り上がってます。

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会場をご提供いただいたサイボウズさん、ありがとうございました。

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次回は2ヶ月後ぐらいに開催されそうです。ご興味のある方はpmjpのslackコミュニティにご参加ください。

追記:発表資料

speakerdeck.com

あなたの会社のプロダクトマネージャーのインタビューを掲載しませんか?

あなたの会社のプロダクトマネージャーに直接インタビューして記事化。このブログに掲載いたします。

どんな記事内容に?

下記のような内容をお聞きして対話形式の記事にします。 

  • プロダクトマネージャーになるまでのキャリア
  • どのような考え方でプロダクト開発に従事しているか
  • 自社のプロダクトの強みや魅力
  • プロダクト開発に関わる自社の制度や方法論

どんな会社向け?

プロダクト開発に関心の高い方に読まれているブログです。

・プロダクト開発に強い会社としてのブランディングを強化したい
・プロダクトマネージャーの採用を強化したい
・自社の製品をアピールしたい

そうお考えの企業さんはぜひご連絡ください。

インタビューの際に、進行中のプロジェクトやPM育成上の課題について、オフレコでディスカッションさせていただくことも可能です。

詳細については、me at mizukitanno.com宛にメール、またはFacebookページのメッセージでご連絡ください。

記事掲載についてのFAQ

・2000〜4000字程度のボリュームを想定しています。

掲載前に原稿をご確認いただけます。

製品サイトや採用サイトへのリンクを記事中に配置することも可能です。

【追記】現在想定上のお申し込みを頂いており、お待ち頂いている状況です。 

プロダクトマネージャー不要論

「私がプロダクトマネージャーを絶対に雇わない理由」という刺激的なタイトルの記事をMediumで見つけた。HubSpotの元CPOで、Driftというマーケティング支援サービスのCEO、David Cancel氏の記事だ。コメント欄も盛り上がっている。

プロダクトマネジメントを専門とする自分としてはなかなか認めがたい主張ではある(笑

medium.com

ざっくり要約するとこんな感じだ。

  • スタートアップの世界は変化が早く、過去の経験が役に立たない
  • 各社でPMの仕事の範囲が違う。ある会社ではプロジェクトマネージャーのことだったり、ある会社ではプロダクトマーケターのことだったりする。
  • プロダクトで差別化するなら他社の経験はむしろ忘れてもらう必要がある
  • プロダクトに情熱を持っていて学習能力の高い未経験者を雇うべし。
  • プロダクトジャンキーで、好奇心が強く、プロダクト改善のアイデアを持っていて、顧客中心のマインドセットを持った人を採用した方がいい。

創業者がProduct-drivenな人で、実質的に創業者がプロダクトマネージャーを兼任しているようなスタートアップであれば、この主張は正しいかもしれない。またプロダクトへの情熱や顧客中心のマインドセットといった採用要件はその通りだろう。

ただ、組織規模や事業規模が一定以上大きくなって、創業者自らがプロダクト開発を指揮できないフェーズになると、やはり経験を持ったプロダクトマネージャーを採用する必要がでてくる。

うまくいったグロースハック施策を他社でそのまま展開できると考えるようなPMは確かに必要ない。しかし、顧客の真の課題を理解し、実現可能なソリューションを考案し、実装過程で明らかになる矛盾を解消する、といったPMのスキルはスタートアップであれ大企業であれ共通して必要なものだと考える。

などと思いつつ、経験や方法論に縛られず「狂ったアイデアの実践」ができるPMにならなければならないと自戒した次第。

デザイン思考によるイノベーションのわかりやすい例

徹底的なユーザー観察、素早いプロトタイピング、というデザイナー特有の問題解決手法を製品開発プロセスの川上に適用しよう、というのがデザイン思考だ。

デザイン思考を生んだIDEOのCEO、ティム・ブラウン氏は次のように語っている。

デザインは以前より、開発プロセスの川下に位置づけられていた。つまりデザイナーは、イノベーションの実作業である初期段階では何もすることがなく、固まったアイデアに化粧を施す。そのように考えられてきたのである。
(中略)
デザイナーの役割はこれまで、開発されたアイデアを消費者にとって魅力的にすることだった。しかし現在、デザイナーには、消費者のニーズやウォンツによりマッチしたアイデアを生み出すことが期待されている。
従来のデザイナーの役割は戦術的であり、デザインによって生み出される価値は限定的だった。しかし現在、デザイナーに求められているのは戦略的な役割であり、これにより画期的な新しい価値が生まれてこよう。
- Harvard Business Review 2008年12月号 「優位」の教訓より 

 デザイン思考とは、プロセスの川下で本質的な問題解決に繋がらないプロダクトの「お化粧」をやらされてきたデザイナーたちの反逆であるとも言える。

デザイン思考によるイノベーションの具体例は、IDEO創業者たちによるデザイン思考の本でも紹介されているのだが、個人的には今ひとつピンとこなかったりする。
(余談だがHBR2016年4月号でZibaの濱口さんが、IDEOのデザイン思考でイノベーションが生まれることはまれで、デザイン思考ブームはマーケティングの産物である、と語っていて面白い)  

 デザイン思考によるイノベーションのわかりやすい例がないかと思っていたところ、こんな記事があったので引用して紹介する。

「例えばごく簡単な例として、風呂場のカビ取り洗剤のデザインを考えてみましょう。ボトルそのもののデザインももちろん重要ですが、実際の利用シーンをよく観察すると、中身の薬剤が無色透明では後で洗い流す時に散布した場所が分からなくなってしまうということに気づく。そうすれば、薬剤に色を付ける、泡状にするといった新しいアイデアが浮かんできます。このように、デザイン思考を製品開発に取り入れることで、使い心地の良さという新しい価値を提供できるわけです」
- 「デザイン思考」は企業やビジネスをどう変える? - 日経ビジネスオンラインSpecial

これがイノベーションなのかと言われると異論があるかもしれないが、確かに「無色の洗剤だと洗い流したかわからない」という問題は、実際の利用シーンを観察することで初めて発見できそうだ。おそらくユーザーがペインポイントを自覚しておらず、ヒアリングや定量的な市場調査では問題を発見するのは難しそうに思える。

実例かどうか定かでないが、デザイン思考の有効性をイメージするための具体例としてはとてもわかりやすい。