小さなごちそう

プロダクトマネジメントや日々の徒然について

マネージャーの仕事はアイドルのプロデュースと似ている(気がする)

田端さんの記事に触発されて、僕も自分のマネジメントに対する考え方を書いてみたくなりました。(プロダクトマネジメントではなく、ピープルマネジメントの話です)

 強制するのではなく自ら動きたくなるような環境を作れ、というのはまさにその通りだなと思いました。しかしこの記事、田端さんの表情に都度都度アテンション奪われて読了するのに時間かかりますね😅

企業の経営資源はヒト・モノ・カネと言われますが、マネージャーは会社からヒトという経営資源を預かって成果を出すこと、目標を達成することが仕事です。またそれだけでなく、人材育成することでヒトという経営資源の価値をより向上させることも責務の一つです。簡単に言えば「目標達成と人材育成」がマネージャーの仕事、というわけですね。

辞書的な定義は以上、だと思うのですが、この役割をどう捉えるか、マネージャーとしてどう振る舞うかは色々な考え方があると思います。

で、僕はマネージャーというものは秋元康さんやつんくさんのようなアイドルプロデューサーの役割に近いんじゃないかと思っています。エンターテイメントの業界に詳しいわけではないので想像で書きますが、プロデューサーはアイドルの原石を発見しスターへと成長させるのでしょう。オーディションを通過するのは「誰が見てもアイドルの素質がある」という様な人ばかりではないと思いますし、容姿も歌も踊りもそして演技も誰よりも才能がある、といった人はそうそういないのではないかと思います。プロデューサーは、この子は歌はうまいけど踊りは苦手、とか、演技はできそうにないが人を引き込むトークのセンスがある、といったようなタレントの得手不得手や個性を見極めて最も輝くような打ち出し方を企画し、スターダムへと押し上げていくのでしょう。また、アイドルのプロデューサーは当然ながら自らステージに上がることはありません。秋元康さんは歌ったり踊ったりしないですよね。

企業におけるマネージャーもそうしたアイドルプロデューサーと同じようなものなのではないかなと思っています。メンバーの強みと弱みを見極め、どのような機会を作れば強みを生かして成果を出し、周囲から信頼される人材になるのか。会社という舞台装置のなかでメンバーというタレントが活躍し、スポットライトが当たるようにするにはどうすればいいのか。その企てをするのがマネージャーの仕事だと僕は思っています。

強みを活かす、という話をすると「弱みは放置していいのだろうか」と懸念する人もいるかと思います。もちろんメンバーの弱点はきちんとフィードバックして改善できるところは改善すべきでしょう。相手の意欲や習熟度に合わせて、時には手取り足取りやり方を教えたり、時には任せて結果を見てみる。ティーチング、フィードバック、コーチングを使い分けて、弱みの克服を支援すべきです。

こうしたマネージャーとしてのスタンスについては、ケン・ブランチャードらによる「シチュエーショナル・リーダーシップ」がとても参考になります。シチュエーショナル・リーダーシップは日本で受けられるトレーニング・コースもありますが、下記の本が参考書として良いようです。  

新1分間リーダーシップ

新1分間リーダーシップ

 

 ちなみに僕はあまり弱みには神経質にならないようにしています。強みを発揮しているうちに弱みはあまり気にならなくなったり、別の手段で補完するようになったりするからです。やるべきことを忘れがちな人は、記憶力を強化しなくてもリマインダーに登録する習慣をつければ解決しますよね。

 

とはいえマネージャーとして、時にはチームのためにメンバーに対して厳しい判断をしなければならない時があります。メンバーがチームに対して非協力的であったり、現在の環境では十分な成長機会を与えられない場合です。また一部のメンバーに無限の育成リソースを割くわけにもいきません。下記の本は、ある新任CEOが経営チームをいかに変革させたかを描いたビジネス・フィクションです。このストーリーのなかでチームに対して愛を持って接するCEOが、あるメンバーに対して厳しい判断をする様が描かれています。 

あなたのチームは、機能してますか?

あなたのチームは、機能してますか?

 

 コーチングもマネージャーになる人は一度は学んでおくべきだと思います。コーチングには色々な流派?があるようですが、僕はコーアクティブ・コーチングの「人は本来、自分の問題を解決する能力を持っている」という考え方がとても好きです(ちょっと表現違ったかも)。コーアクティブ・コーチングについては下記の本が漫画で読みやすいです。 

マンガでやさしくわかるコーチング

マンガでやさしくわかるコーチング

 

 というわけで普段はプロダクトマネジメントについて考えている僕の「ピープルマネジメント論」でした。ただアイドルのプロデューサーは自分でタレントを発掘できるのに対して、マネージャーは自チームへのアサイン権限を持っているわけではありませんので、正しい比喩じゃないかもしれません。どちらかというとサッカーチームの監督のほうが近いですかね。与えられたチームで成果を出すマネージャーのあり方については、次の書籍が参考になります。 

今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則――『ジャイアントキリング』の流儀

今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則――『ジャイアントキリング』の流儀